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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode11.5 塔の迷宮・後編

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初心に戻って肉弾戦

~前回のあらすじ~

ベリアル登場。

「クリスを殺すだと……お前、殺しはできないって言ってただろ!」

「俺様が殺せないのは、コーマ、お前とそこのルシルって嬢ちゃん、あと神子たち……それに」


 ベリアルはルシルの横にいるマネットを見て、にっと笑った。


「弱っちいがあいつもそうだな」

「弱っちくて悪かったね。僕は戦闘向きじゃないんだよ――」


 マネットが不貞腐れるように言う。


「コーマ、忘れたか? 俺様はこうなってからもすでに人を殺しているんだぜ。まぁ、俺様は忘れていたがよ」


 ……そうだった。こいつと再会したその時、見張りをしていた男が殺されていた。

 こいつが殺すことができない相手は決まっている。それは誰かに命じられた相手――おそらく命じているのは何度もベリアルが口に出した名前――グリューエルだろう。

 つまり、ベリアルは本当にクリスを殺すことができる――


 俺の脳裏によぎったのは――かつてベリアルに腹を貫かれたルシルの姿だった。

 こいつは、やるといったらやる。腹のうちは全て見せ、裏には何も持たない。そんな奴だ。


「どういうことだ、ルシルの力を借りるなっていうのは」

「文字通りだ。コーマ、お前だけなんだぜ、俺様が唯一ライバルと認めたのは。そんな奴が女の力を借りて戦うところなんて見たくないんだ。俺様を失望させるな」


 そう言ったベリアルの背後に、アルジェラが迫った。

 アルジェラの剣がベリアルに届こうかというが、ベリアルは身体を半分捻り、裏拳でアルジェラの腹を叩いた。

 アルジェラの体が吹き飛び、後ろの壁に激突する――が、アルジェラの体には傷ひとつない。

 それどころか、ベリアルのHPが僅かに減った。


「硬いな……だが、それだけだ」

「ちっ、勝手なことを言いやがる」


 でも――今ので少し突破口が見えた気がした。

 俺はアイテムバッグから、力の妙薬を取り出して一気に飲み干す。

 30分限定だが、力が5割増しになるアイテムだ。


「よし、初心に戻っていっちょ力押しと行きますか」


 便利な道具や強力な剣ができて忘れていたが、俺の最初の力は、この力の妙薬と、力の神薬による力便りだったんだよな。


「行くぞ、アルジェラ! 覚悟しやがれ!」


 俺はそう言うと、前に跳んだ。小細工も一切なにもない、この身ひとつで。

 アルジェラが聖銀の細剣で突いてくるが――俺はその細剣を左手で受け止めた。


(ぐっ――)


 左手に激痛が走る。なぜなら、細剣は俺の手を貫いたから。

 そして、俺は貫かれたまま、その剣を握った。


 これで逃げられないだろ、アルジェラ!


(喰らいやがれ!)


 俺は己の拳をアルジェラの鳩尾に叩きつけた――すると、剣で叩きつけてもびくともしなかった、アルジェラの体が宙に浮かぶ――ダメージがあるようには見えないが、それでもさっきの剣の時と違って無効化されているわけではない。


「そうか、コーマ、考えたわね」

「ルシルさん、どういうことですか?」

「剣は鉱石――つまり土の領分だけど、人間の体はそうじゃないの。人間の体っていうのは、基本は固体の土だけど、その動きは流動の水、篭る熱は火、そして空気を吸って動く風――四大元素全ての力で動いているの。だから、土の力だけでは無効化できないの。アルジェラは最初、庇う必要がないにも関わらず右手でエクスカリバーを受け止めたのは、自分の体の硬さを誇示して、肉弾戦に持ち込ませないための作戦だったのね」

「……全くわかりません」

「つまり、コーマはベリアルがアルジェラを殴ったのを見て、その手が使えるって思ったわけよ」


 身も蓋もないことを言うなよ、ルシル。

 でもまぁその通りだけどさ。


 さて、ここからが反撃の時間だ。そして、子供はお休みの時間だぜ、アルジェラ。

 ひりひりと痛む右手を気にしながら、俺はこの後の作戦について考えた。

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