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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode11.5 塔の迷宮・後編

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炎の精霊との戦い

 なんでサランが蜥蜴に姿を変えて襲ってくるんだ、とか思っている暇もない。

 向こうはやる気満々のようだ。


 俺よりも先に動いたのはクリスだった。

 クリスの炎の剣が炎の蜥蜴の頭に直撃――と思いきや、


「コーマさん、全然効いてません」

「バカっ! 炎の塊の相手に炎属性の剣で攻撃するなっ! 『水弾アクアボール』!」


 水魔法による攻撃――これならどうだ!

 と思ったが、水は一瞬のうちに蒸発し、意味をなさない。


 サランの爪が俺を薙ぎ払おうと振るわれたので、俺はしゃがんで躱す――が……


「っつー、髪の先が少し燃えたぞ」


 完璧に避けたはずなのに。くそっ、近距離での戦いはこっちが不利だ。

 炎の塊を相手にしているようなものだし、炎の塊相手に神雷の杖とかが通用するとは限らない。


「コーマ、第二段階まで封印を解くから、少し耐えてね」

「わ、わかった!」


 ルシルの予告通り、俺の中に破壊衝動が湧きあがる。今すぐ目の前のサランを叩き潰したいという衝動が。

 先ほどと違い、体にも竜の鱗が現れ始めている。

 エクスカリバーを取り出し、俺は突撃してくるサラマンダーとすれ違いざまに剣を薙ぐ。

 剣の刀身が炎を纏った。

 軽く剣を振って炎を振り払う。

 振り向くと、サランの体が真っ二つになっていたが、すぐに一つになる。

 物理攻撃無効とか、どんなチートだよ。

 いや、俺が言うのもなんだけど。


 サランはこちらを向き、再度攻撃してきた。


流水剣ウォーターソード!」


 今度は剣に水を纏わせる。

 サランがジャンプして俺にのしかかってきた。

 水の剣で受け止める――どうやら流水剣ウォーターソードを使えば攻撃を受け止めることはできるようだが――水が蒸発していく。

 長くは持たない。


「そんな、変身したコーマさんでも通用しないなんて」

「……クリス、勘違いするな。俺の封印を解いたのは、俺のパワーアップのためじゃないぞ」

「……え?」

「時間稼ぎは十分だよな?」

「もちろんよ、待たせたわね!」


 ひとり、安全な場所で魔法の詠唱をしていたルシル(女子大生バージョン)が叫んだ。

 彼女は、ユグドラシルの杖を使い、その魔法を唱えた。


全てが氷結する世界(フローズンフィールド)! 私の氷は炎も命も凍らせる」


 女子大生にまで成長しながら中二病っぽいことを言うが、大地から伸びた氷の槍がサランを貫き、氷像となって動かなくなった。

 俺の中から破壊衝動が消えた。再封印が施されたらしい。ルシルも元の小学生バージョンに戻っていた。


「殺した……のか?」


 動く気配のないサランを見て、俺はルシルに尋ねた。


「殺していないわ。凍らせただけよ。コーマのエリクシールを使ったら元に戻ると思うわ」

 流石だな、俺のエリクシール。

「一体、どうしたんでしょうか、サランさん」

「暴走している感じだったな。まるで竜化して制御が効かなくなった俺みたいだったが」

「あぁ、確かに暴走したコーマってあんな感じよね」

「……いや、うん。自分で言うのはいいけど、他の人から見た暴走した俺って、やっぱりあんな感じなのかって思うと、少し鬱になるな」

「あ、で、でも、コーマさん。私、最初に竜化したコーマさんを見たとき、カッコいいかと思いました。もしかしたら魔物かもと思いましたが」


 俺ってそんなのなんだ。

 アメリカで流行っている蜘蛛男とか蝙蝠男だって、人間かどうかを疑われることは稀じゃないだろうか。

 少し落ち込むな。


「ねぇ、コーマ。この氷を抱きながら移動したら、暑くても平気じゃない?」

「いや、さすがに凍傷になる……ってか、本当にどこにいったらいいかわからないしな」

「あ、それなら大丈夫よ。ほら、前に風の宝玉と風の神子……えっと、名前誰だったっけ? 忘れたけど、人間の場所を探すときに契約の繋がりを手繰ったでしょ? あれと同じで、この氷像の契約を辿っていけば、えっと、炎の神子のなんちゃらさんの場所に行けるわよ」


 ちなみに、契約の糸は二本出ていて、一本はクリスに繋がっているらしい。

 ……そうか、これでレイシアの居場所がわかるのか。

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