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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode11 塔の迷宮・前編

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380/742

閑話:この物語には 〔残酷描写〕 が含まれていません(嘘)

ひどい話です。

この物語には 〔残酷描写〕 が含まれています。

苦手な方は、明日の更新を読んでください。

今日の更新は読まなくてもわかります。

一番残酷なのは作者の頭かもしれません。

 小説などを読むときに、こういう表記があると思う。

 この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

 この残酷な描写は、時には残酷な映像以上の衝撃を読者に与えることがある。

 人間は想像力豊かな生き物だ。その想像力は、時には、数億円をかけたCG技術をも凌駕し、精神的な恐怖となり人の精神を蝕むことがある。

 だから、もし、俺が――絶対にないが、もし俺が小説を書くようなことがあれば、今見ている表現を残酷な描写を含まずに伝える努力をしてみることにした。


「人間がプリンに転生したら、きっとこんな感じなんだろう……いや、これだと具体的すぎるか」


 もっと、的確に、だが可愛らしく表現するならどうしたらいいだろうか?

 目の前のモザイク処理を施さないと、耐性の無い人は直視することも憚られるミスターXの表現方法を考えた。


「人間の新たな進化、いや、むしろ宇宙に進出して数億年後の新人類とでもいうべきか」

「コーマさん、何を落ち着いてるんですか? この人、大丈夫なんですか?」

「ん? あぁ、意外とHPは減っていないんだ。診断スキルによると、状態異常なのは確かだが」

「状態異常って当たり前です! なんで××××で××××なんですか!」

「こら、クリス! そういう直接的な表現を言うな。アクアマリンが変な夢を見るだろうが」


 事件の後、アクアマリンは気を失ってしまった。耐性が無いから仕方ない。

 とりあえず、彼女は清潔にしたベッドの上で眠ってもらうことにした。

 ちなみに、マユには、牢屋の外で見張りをしてもらっている。

 さて、俺はこのグルースだったものについて考える。

 うん、HPはやはりあまり減っていないな。


「コーマさん、早く治してあげないと」

「いやぁ、聞いた話によると、性格が変わるほどになるには、数時間放置しないといけないんだよ。まだ二十分しか経っていないからな、もう少し様子を見ないと。それにしても僅か二十分で人類の数億年分の進化を遂げるとは、さすがはルシル料理だな」


 俺はうんうんと頷いて目の前のグルースだったものを直視した。

 いろいろと酷い。

 うーん、直接的な表現ならばいろいろと思い浮かぶ。

“天然全身福笑い男”だとか、“え? 右手じゃなくて左足ですよ”だとか、そういう表現が相応しい。

 だが、ここは残酷ではない描写でしないとな。


「クリス、何かいい表現はないか? こう、なんというか子供が読んでも平気なような」

「え? そうですね……子供の落書きでしょうか?」

「それだ! 生まれて初めてクリスを認めようと思ったぞ」


 最終的には“人間が想像する最後の邪神”みたいな表現になるところだった。

 いやぁ、すっきりしたな。


「あの、コーマさん、それで、グルースさんの状態なんですが、もう治療しても性格は改善されているんじゃないでしょうか?」

「いや、ルシル料理を食べても短時間で治療すると性格が改善されないんだ。これも実証済みだ」

「誰相手に実証したんですか?」

「俺が何度もルシル料理を食べている」

「あぁ、納得しました」

「自分で言うのはいいけど、お前に言われるとなんか腹が立つな」


 俺は何度もルシル料理を食べているが、性格が変わったとは思えないからな。

 本当に俺が良い人になっているのなら、こんな状態のグルースを見たら気を失ってしまうだろう。


「でも、これ、どういう状態なんですか?」

「えっと、診察スキルによると、“犬と猫の争い”って状態らしい」

「え!? 毒とか麻痺とかじゃないんですか?」

「ははは、クリス、これが毒の状態に見えるか?」

「見えませんけど……なんなんですか、犬と猫の争いって」

「俺は犬派だぞ」

「私も犬派ですよ。猫はトラウマですからニャ……ニャニャニャ! コーマさん、このタイミングでクリスティーナを猫語にしにゃいでくださいにゃ!」

「いや、お前、先月分足らなかったぞ、借金の返済」


 クリスは借金を払わないと、契約により「一人称がクリスティーナ」「猫語で喋る」と俺が自由で変更できるようになる。


「そういえば、クリスは、“ナ”が“ニャ”になるのに、クリスティーナって普通に発することができるんだな?」

「それは、契約のにゃいようのせいだニャ」


 あぁ、そうか。クリスへの契約には「クリスティーナと言う」と書いてあるから「クリスティーニャ」にならないのか。納得だ。

 納得したところで、契約の呪いを解除する。


「コーマさん、大変です! グルースさんの色が虹色に変色しています」

「ん? あぁ、その程度なら大丈夫だ。ルシル料理あるあるだから」

「え? そうなんですか?」

「うん、状態異常も“犬と猫の争い”から“十二支戦争”に変わったから、その影響だろう」

「十二支戦争? なんですか、それ!」

「きっと、犬が他の十二支を集めて猫を追い詰めようとしたんだな。猫は十二支に入っていないから。でも、油断すると――」

「大変です! 今度は縞模様に変化してます」

「あぁ、きっと虎が暴れてるんだ。虎は猫科だから、猫に味方したんだろ」

「今度は宙に浮かびましたよ」

「ははは、宙に浮かぶのもルシル料理あるあるだから心配するな。きっと、あ、やっぱりだ。この状態は“龍虎の乱”だな。もしも空き巣がこの状態になったら性格改善関係なく即座に治療しないといけないが、まぁ、大丈夫だろ」

 

 というと、“子供の落書き”の体が回転をはじめ、竜巻が巻き起こる。


「ほら、こんなの店の中でやられたら大変だろ? 一度倉庫で起きて……あの時、メイベルが泣いちまってな。本当に、メイベルに泣かれると弱いよ。あれから龍虎の乱になったら即座に治療するようにしてるんだが――」

「それなら、助けてくださいよ! ひとりで竜巻きなんて防げませんから! 私も泣きますよ!」

「クリスの涙なんて見飽きてるよ」

「そんな酷いこと言わないでください!」


 クリスが泣きながら叫んだ。

 そんな状態が一時間ほど進み、“子供の落書き”が、“前衛芸術の極み”になったころ、一時間が経過したのでそいつを治療してやった。

 そんな状態でも元に戻るアルティメットポーションは本当に凄いなと心から思った。

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