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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode10 カリアナ

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仲直り計画 その5

~前回のあらすじ~

サクヤ、戦い参加OK。

「コウマ殿は暗殺という言葉を知っておられるのか?」


 シグレの質問はあまりにも唐突だった。

 ここに来て、俺の語学力に心配があると思われたようだ。

 甚だ心外ではあるのだが、シグレの主として器量の大きいところを見せないといけない。

 もっとも、俺が彼女の主となったことをシグレは当然しらないのだが。


「もちろんだ。つまりは周囲に気付かれないように殺すことだ。気に障るかもしれないが、忍のお家芸だろ?」


 自らの解答に満足するように俺が頷くと、


「わかっているのですか?」


 と、シグレは俺が正解したことに不満のあるように言った。


「それなら、これはどういうことでしょう?」


 やれやれ、質問の多い奴だと俺はため息をつき、彼女の指差す方向、すなわち頭上を見た。

 といっても、真下からだとよく見えないため、少しずれてその物体を確認する。


【サクヤ対シグレ、史上最強の忍術合戦INアークラーン!!】


「あぁ、横断幕だな。昨日、シルフィア様が夜なべして作ってくれたんだぞ! いやぁ、神子様なのに立派だよなぁ」

「神子様までこの計画に加担なさっているので……それではコウマ殿、ここは?」


 シグレが手を広げた。

 見てわからないのだろうか?

 ここにあるのは立派なコロシアムだ。

 あぁ、そうか。

 ようやく俺はシグレが何を心配しているのか理解した。


「悪い、配慮が足りなかった。たしかにいきなり何もない草原にこんな立派なコロシアムができあがればびっくりするよな」


 そう、このコロシアムは元々あったものではなく、今回の大会のために準備したものだ。

 でも、準備したのは俺ではない。

 もちろん、万能粘土などの便利な建築資材は山ほど提供させてもらったが。


 学校建設に携わってくれているドワーフが、面白そうだと全員総出で昨日仕上げた。

 今、そのドワーフ達は俺が提供したアルコール類で宴をしている。


 しかも円形闘技場の上でだ。

 ちなみに、闘技場の両端には、高さ十メートルはある剣士の像が立っていて、俺達を見下ろしていた。


 片方には「寄贈・フレアランド神子レイシア」、片方には「寄贈・ダークシルド神子ラミー」と書かれている。

 これほど立派なコロシアムができたのも、ふたりの資金援助があったからだ。

 ちなみに、アースチャイルドは国内がまだまだ復興途中のため資金援助はない。

 だが、この敷地を均し、基礎工事をするのにはアルジェラとクレイに協力してもらった。


「みんな祭り好きだよな」


 一通りの説明を終えて、快活に笑う俺を見て、シグレが「それは貴方のほうですよ」と言った目で見て来た。


「言っておくが、全部嫌がらせでもなければ冗談でもないぞ」


 俺は嘆息混じりに言った。

 今までの冗談を打ち消すように、真剣に、どうして俺がこんなことをしたのかをシグレに説明することにした。


「サクヤが神子の護衛をしていることくらい知っているだろ。例え辞表を提出されても、うちの学校の職員が国の護衛暗殺したとなったら、学校側としても立場がないんだよ。暗殺するとすれば、あくまでも事故にみせかけてもらわないといけないんだよ。悪いがこれは政治の問題だ」

「……コウマ殿も政治のことなど考えるのですか?」

「これでも立場のある人間なんでね。それに、これはお前にとっても悪い話じゃないだろ? 安心しろ、戦いの邪魔はしないし、サクヤを勝たせるような策略をするつもりはない。必ずお前が勝てるさ」

「コウマ殿は御存知ないのでしょうか? サクヤの技術は私とそん色がありません。修行を行っていなければ、どちらが勝つかなど」

「サクヤの動きを予測することができたらどうだ?」


 俺の言葉に、シグレは眉をひそめた。


「それはどういうことですか?」

「なに、この指輪を装備したら相手の心を読めるようになるって魔道具だ。ただし、制限時間は装着してから5分のみだ。だから、ぎりぎりまで装備するんじゃないぞ?」


 俺はそう言って、金色に光る指輪を投げたのだった。


「試合は今日の午後三時からだ。サクヤもそのつもりで準備している。しっかりやれよ」


 俺はそう言って、すれ違いざまにシグレの肩を叩き、コロシアムを出た。

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