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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode09 通常運転

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プロポーズ

~前回のあらすじ~

女性用下着が食い込んだ。

 ズボンを脱ぐと――女性用下着があった。慌ててこれを脱がないといけない、そう思った時だった。

 トイレのノブが回った。

(ヤバっ! 鍵を閉めてない!)

 もともと入ってくる人も少ない王宮のトイレだ。

 鍵を閉め忘れていた。

 ノブを握ろうとするが、扉が開かれたほうが早かった。

 そして、そこにいたのは――

「ク……リス?」

 ここは男女共用トイレだ。

 そのせいで、最悪の相手に見られた。

「コーマさん、すみませ……っ! え!? コーマさん、その下着!? いえ、なんでもないです! 私は何も見ていません! 失礼しました!」

「待て! クリス、ちょっと待ってくれ!」

 俺は全力でクリスを呼びながらも、扉を閉めて鍵をかけ、下着をつけかえた。


   ※※※


「クリス、ちょっと待ってくれ!」

 俺がクリスを呼び止め、その手を取る。

 そして、彼女の顔を見て、俺の焦りはピークに達していた。

 なぜなら、クリスの顏がとても優しかったから。

 同情心で満ちていたから。

「大丈夫ですよ、コーマさん、何も言わなくても人の趣味はそれぞれですから」

 とでも言いたげな瞳だ。

 いや、絶対にそう思っている。

 もうどうにでもなれ!

「頼むから! 全部話すから聞いてくれ!」

 人生最悪の日は絶対に今日だと思いながら、俺は、性別反転薬を取り出して飲んだ。


 コーリーに変わった俺を見て、クリスがフリーズした。


 二分後。

 王宮内にクリスの悲鳴が響き渡り、数十人の兵に取り囲まれることになった。


   ※※※


 そして、さらに十分後。

 俺は素直にクリスの張り手を受けたせいで顔がはれあがっていた。

「酷いです! 酷いです! 酷いです! 酷いです! もう死にたい」

「死にたいのはこっちだ……くそっ。言っておくが三回とも俺はなりたくて女の姿になっていたんじゃないぞ!」

 コーリーの姿になった俺は本当に泣きたくなった。

「借金は絶対にもう払いませんからね!」

「わかってるよ! もう借金を返せなんて言わない!」


 俺はコーリーの姿で叫んだ。


「……………………酷いです、コーマさん!」


 今の間は、コーリーとしての俺がしたことを思いだしたからだろう。

 クリスにとって一番恥ずかしいのは、やっぱり泉で裸の付き合いをしたことだろう。


「言っておくが、泉で裸になって抱き着いて来たのはお前だからな。俺はあのときは必死に逃げようとしたんだ」

「あれも確かに許せませんが、そのことだけじゃありません結婚……」

「結婚?」

「コーマさん、私と結婚するって言ったじゃないですか!」

「え……あ、あの時か」

 フリマの寮の食堂で料理を作った後の話だ。

「あの冗談がなんだったんだ?」

「うわぁぁぁん、やっぱり冗談だったんですね! 私、あの日の夜は実は冗談じゃなくて本気だったんじゃないかと思って、一晩本気で悩んだんですよ! その相手がコーマさんだったなんて! こうなったらコーマさんを殺して私も死にます!」

「やめてくれっ! わかったっ! 謝る! てか本当に謝るから剣を抜くな!」


 今は服も靴も全てぶかぶかのせいで動きにくい。こんな状態で戦えばクリス相手でも苦戦は必至だ。 


「それに、なんでコーマさんのほうが私より可愛いんですか!」

「そんなもん俺が知るか!」

「責任! 責任とってください」

「責任ってどうすればいいんだよ!」


 俺がそう叫ぶと、


「……男の責任は結婚」

「結婚しかないわね」

「もしくは切腹だね」


 後ろから、鈴子とルシルが適当なことを言ってきやがった。

 あと、鈴子の後ろにいる黒い髪の少女、たぶん闇の精霊ミュートなのだろうが、登場していきなり切腹とか言うなよ。俺なら切腹した後もアルティメットポーションですぐに回復できるけど、痛みはあるんだぞ。


「け……結婚?」


 一番驚いたのはクリスだった。


「そんな……私とコーマさんが結婚だなんて……」


 ……こいつ、実はまんざらでもないと思ってるんじゃないか?

 たしかにこんな間抜けっぷりじゃ嫁の貰い手はいないだろうが、いくらなんでも俺相手に結婚はないだろ。

 自分で言うのもなんだが、俺がいままでクリスにしてきた仕打ちを考えると、俺は真っ先に婿候補から外されるんじゃないか?

 でも、俺が何よりもショックだったのは、ルシルから結婚の二文字が出たことだった。


「待て、ルシル、お前はいいのか? 俺がクリスと結婚しても」

「ん? いいんじゃない? コーマの自由じゃない、誰と結婚しても」

「おま……結婚だぞ! 結婚、俺とクリスが夫婦になるんだぞ! それがどういう意味かわかってるのか?」

「もちろんよ」


 その言葉に、俺の中で何かが崩れた。

 そうか……そうかよ。


「クリス、結婚するか」

「え?」

「お前の両親に挨拶に行く。良いな!」

「え? えぇぇ、本当に、本当にいいんですか?」

「あぁ、もちろんだ」


 俺がそう言うと、クリスは顔を真っ赤にして俯いた。

 そして、もじもじとして、


「あの……コーマさん、ひとつ言わせてもらっていいですか?」

「なんだ?」

「今の姿……男の姿に戻ってからもう一度言ってもらえませんか?」

「あ……」


 俺は自分がコーリーの姿をしていることに気付き、さすがにこれはまずいと思った。

どうしてこうなった?

……サクヤとシグレの問題全部後回しにしてやがる。

コメットちゃんやメイベル、エリエール、レイシアあたりがどう反応するのか。

コーマも勢いですが、作者も勢いです。

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