コーマ魔王の大宣言
~前回のあらすじ~
再封印完了
大人Ver.だった時に比べれば大分細くなってしまいクッション性が失われてしまったルシルの太ももの感触をもう少し楽しみたかったが、コメットちゃんも待っていることだし、俺は起き上がることにした。
「コーマ、もう大丈夫なの?」
「意外と調子はいいよ」
体の調子はおそらく以前と変わらない。アイテムクリエイトも使える。
強いて言えば、記憶を失っている間に飲み損ねた神薬が勿体なかったなとは思うが、記憶のない状態の俺に神薬について教えると、その情報がどこから漏れるかわからないからそこは仕方がないと諦めることにした。
「そう、封印はうまくいったようね」
ルシルが胸を撫で下ろしたような仕草をした。
あの時に俺の封印に失敗したのも、西大陸に飛ばされる羽目になったのも、決してルシルのせいではないのだが、彼女なりに気にしていたのかもしれない。
「それでコーマはこれからどうするの? 暫くこっちにいるんでしょ? それとも、メイベルって子のところに無事を報告に行くの?」
「もちろんメイベルにはきっちり説明しに行かないといけないって思ってるんだが、しばらく西大陸の抱える問題をどうにかしようと思ってる。あそこにある六つある宝玉が全部72財宝であることがわかったから、全部手にしたいしな」
一気に六種類が手に入るのはかなり理想的だ。
72財宝コンプリートにつながるのは間違いない。
「それに……グーとコメットちゃんが一緒になったときに二つの人格が一つになったように、記憶のない俺の意識もしっかりと俺の中に残っているからな。関わった人達をそのままにしておけないってのが本音なんだろうな」
「……どうにかするって、人間同士の戦争なんでしょ? コーマが関わるべき問題じゃないと思うけど」
「それなんだがな――気になる奴がいるんだ」
あの時――大聖殿で会った謎の少女。
あの子のことが気になる。
俺のことを彼女はこう呼んでいた。
【魔王】
彼女はいろいろと謎だ。
そして、彼女は言っていた。
俺は、魔王を知らないといけないと。
いろいろと調べるためにも、俺はもう一度西大陸に行くことにするか。
「別に宝玉が欲しいのなら、戦争なんて介入せずに、宝玉を盗んでくればいいのに」
「そう言うなよ……宝玉には精霊が宿っているからそう簡単には行かないんだよ。そうだ、ならば魔王らしく介入するってのはどうだ?」
「魔王らしく?」
ルシルにしては珍しく、目をキョトンとさせて俺に訊ねた。
魔王らしくという意味を考える時間を与えて待った。
だが、お手上げということで、
「どういうことよ」
と訊ねた。
そのルシルに対し、俺はドヤ顔で宣言した。
「裏から西大陸を牛耳ってみるとか魔王らしくないか?」
俺の宣言に、再度ルシルは驚き、目を開いたあと、
「本気? コーマが西大陸を支配するってこと?」
と笑いながら言った。
「ああ、変か?」
「ううん、いいじゃない。やってみなさいよ、西大陸征服を。そうなったらどうなるか楽しみね。西大陸がどうなっちゃうのか」
「見せてやるよ。お前には一番の特等席でな」
「魔王軍元帥として?」
「俺のパートナーとしてだ」
「それは確かに一番の特等席ね。楽しみにしているわ」
「楽しみにしていろ」
俺達はそう言って握手を交わした。
なし崩し的に西大陸の全ての人を巻き込んでしまった大陸征服宣言。
これが後にどうなるのか?
そんなものは俺には知ったことではない。
でも、俺なら、いや、ルシルと一緒ならとても楽しくできる気がする。
「西大陸を滅ぼすだけなら、ルシルの料理108品くらい作ったら余裕なんだけどな」
俺が笑いながらそう言うと、ルシルは俺のアイテムバッグから勝手に取り出したハリセンで頭を叩いてきた。
すみません、風邪で今日まで更新がかなり短めでした。
明日からは何とか通常更新できると思います。




