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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode09 通常運転

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彼女との再会

~前回のあらすじ~

魔の森にたどり着き、コーマが記憶を取り戻した。

 賢者の道を俺は進む。

 この道は邪なものを跳ね除けるとは聞いていたが、まさか俺の中の破壊衝動まで抑え込むことができるとは。

 これを作ったという賢者は本当に人間なのだろうか?


 賢者の道はここからダークエルフの集落まで通じている。

 ダークエルフの集落からダークシルド側への賢者の道は消えていて使えないと言っていたな。


「それにしても、クリスの奴、何したんだよ。あいつならダークエルフ相手でも後れを取るとは思えないんだが」

「私もそう思います。何か事情があるのではないでしょうか?」


 シグレが言う……って、こいついつの間に着替えたんだ?

 最初に会った時のような忍び装束になっていた。

 服を裏返すって、そんな簡単にできるのか?


「どうかしました」

「いや、なんでもない」


 俺は頭を横に振る。


「普通にあいつのことだから、厄介ごとに巻き込まれたか、騙されたか、バカなことをしているかの一つに一つだな」


 三つに一つではない。つまりはクリスがバカをしているという一択だろう。


「懐かしいですね。前までのコウマ殿のようです。でも、ダメですよ、主君のことを悪く言うのは」

「いいんだよ、クリスと俺の関係はまぁこういう関係なんだ。ダメだというのなら、妹を殺す方がダメだろ」


 俺がそう言うと、シグレは少し沈んだ表情になった……気がした。


「すみません、これは里の掟ですから」

「掟ね……サクヤは一体どんな情報を盗んだんだ?」

「すみません、それはたとえコウマ殿にでもいえません」

「サクヤが言ってたんだが、カリアナは主君を守れなかった一族の末裔らしいな。主君がいないのにそこまで守らないといけない掟なのか?」


 俺が言うと、シグレは俺を睨み付けた。

 その目には明らかに鋭い怒気を孕んでいる。

 氷のように冷たいものだ。


「言ってなかったか? 俺はサクヤとも今は仲良くさせてもらっている。できればお前たちには殺し合いはしてほしくない」

「……コウマ殿とサクヤが友好関係にあるのは存じていました。コウマ殿が私をここに連れ出したのも、私とサクヤの距離を置くためであることも」

「……お前はやっぱりサクヤを殺したくないんじゃないのか?」

「私の感情は関係ありません。忍びはただ忠実に己の任務を全うするだけです。そこに私はありません」

「なければなんでお前は俺についてきた? なんで俺の頼みを受ける? 俺が恩人だからだとかそんなのは関係ないだろ。お前はまだ迷っている。逃げている。自分以外の誰かに止めてもらいたいと思っている。そうじゃないのか?」


「定められたレールの上を歩くのは楽だよな?」と俺は賢者の道の上を踏みしめるように歩く。

 ひどいことを言っているのはわかっている。

 だけれども、俺にはあまり時間がない。

 この賢者の道を出たら、俺は再度記憶を封じないといけない。

 だから、できればここでシグレのことを全て終わらせたい。


「サクヤが何を知っているのかは知らないが、あいつなら問題ないだろ。脅されたって何か言う奴じゃないよ」

「可能性は零でないと意味がありません。いえ、例え可能性が零であっても、里の上層部が納得できないと意味がありません」

「お前にとって里はそれほど大事なものなのか? 自分の妹を平然と殺せという里が、血を分けた妹よりも大事なのかよ」

「大事です」


 シグレは言い切った。

 その目には迷いはない。いや、迷ってはいけないという意志の強さがある。


「……わかったよ……ったく。でも、約束は守れよ。サクヤを殺すのは退職願を出してからだぞ」

「わかっています」


 これ以上、彼女と話すことはなかった。

 俺達は鬱蒼と茂る森の中を進んでいく。

 魔物の気配はするが、本当にここに近付く気配はない。

 そして、三十分ほど歩いたところで、俺は見つけた。

 円を描くようにある賢者の道。

 その中に村があった。


 ダークエルフの村だ。ただし、ダークエルフの姿は見当たらない。

 見つけたのはたった一人の少女だ。


 その村の中心に彼女はいた。

 その後ろ姿には見覚えがある。

 彼女が横を向いて、それは確信に変わった。

 可愛い女の子――犬耳、猫髭の少女――そう、


「コメットちゃん!」

「コーマ様!」


 俺の声に

 クリスを助けにきたら何故かコメットちゃんがいた。

 コメットちゃんは俺に駆け寄ってきて、俺に抱き着いた。


「よかった……よかったです、コーマ様がご無事で」

「あぁ、コメットちゃん。悪い、ちょっと訳があって連絡とれなかった。心配かけたな」


 俺は微笑んで、コメットちゃんの頭を撫でた。


「それで、クリスはどうしたんだ? ここにいるって聞いたんだが」

「それが――ルシル様が」

「ルシル? あいつもここにいるのか?」

「ルシル様が、メデューサと手を組んでダークエルフを滅ぼすって騒いで、ルシル様を止めるためにクリス様が森の中に入ってしまったんです」

「……意味がわからん」


 本当に意味がわからなかった。

 つまり、クリスが悪いんじゃなくて、ルシルが悪いということでいいのか。


「あのバカ、一体何してやがるんだ!」

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