コーマと鍛冶のはじめ
~前回のあらすじ~
いよいよコーマが鍛冶作業をする。
「鍛冶がしたいだって? 明日出直しな。炉の火を落としちまったからな」
どうも、炉の火は一度落とすと付けるのが大変なようだ。
ガスコンロみたいにスイッチ一つでっていうわけにはいかないか。
ん? スイッチ一つ。
そういえばあったな。
「自前の炉があるからそれで教えてくれないか?」
俺はそう言って、アイテムバッグから、ソレを取り出した。
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竜骨炉【魔道具】 レア:★×6
高温を出す装置。最低100度から最高4000度まで熱せられる。
これさえあれば、どんな金属でもドロドロに溶かせる。
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竜骨路を部屋の隅に置く。
これならスイッチ一つで4000度までの高温を出せる。
「おい、お前、その鞄アイテムバッグだったのか。いやぁ、初めて見たが……それに、この炉――凄いぞ……お前、一体何者だ?」
「それは俺が一番知りたいな」
冗談抜きで。
本当に俺って何者なんだ?
「これなら問題ないだろう。何がいい?」
「えっと、この本によると初心者は青銅から始めろって書いてるんだが」
俺は大聖殿の町で買った一冊の本を取り出す。薄い本だ。
「おぉ、鍛冶ノススメか。また懐かしいもんを持ちだして」
どうやら、バーグも鍛冶ノススメの本は読んだことがあるらしい。
「青銅だな。ちょっと待ってろ」
俺も青銅はアイテムバッグの中に入ってるんだけどな。
でも、せっかくだしお言葉に甘えよう。
バーグが持ってきたのは、ボロボロの大量の青銅の塊だった。
「ほら、これが青銅だ」
「コーマ、バーグはこう見えてこの町一番の鍛冶師だ。バーグに見てもらえること、ワシに感謝するんだぞ」
後ろから酔っぱらっているガルフが笑いながら言った。
そんなガルフに対して、バーグが睨み付ける。
「ガルフ、ワシの分の酒は置いておけよ……これが竜骨炉か……コーマ、この炉ワシに売ってくれんか? 金貨30枚出そう」
「悪いな……竜骨炉はこれしかないから勘弁してくれ」
これが無いと料理をするときに不便なんだよ。
「そうか。いや、まぁこれほどのもんだ。金貨30枚でも安いしな」
バーグは炉のダイヤルを回し、中の温度を調整した。
そして、鋏を使い、銅を入れて熱した後、その銅を鉄のハンマーで打ち始めた。
火花が飛ぶ。
熱気が凄い。
これがプロの鍛冶師か。
凄いな。
時間にして僅か20分。
青銅の刃の部分が完成した。
だが、それはただの青銅の刃じゃなかった。
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銅の剣改【剣】 レア:★★★★
銅の剣を鍛えに鍛えて作られた剣。
あなたは本当の銅の剣を知ることになる。
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「銅の剣改になってる」
「コーマ、お前鑑定スキルを持っているのか。ワシも驚いた。ワンダー武器ができるとはな。ワシの腕だけではなく、炉がいいんだろうな」
ワンダー武器とは鍛冶スキルレベル6以上の鍛冶師が極稀に作ることができる剣だという。
この銅の剣改だけで金貨1枚になるそうだ。
「なぁ、俺もやっていいか?」
「特別にワシのハンマーを貸してやろう。鍛冶スキルは持ってるな?」
「あぁ、持ってる」
俺はバーグに礼を言って鉄のハンマーを借り、鋏を使って炉に青銅のインゴットを入れる。
そして、時を見計らい、鉄床の上に乗せ、ハンマーで打ちつけた。
一撃だった。
一撃で――青銅のインゴットが剣の形になった。
そして、それをお湯に入れる。
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王銅の剣【剣】 レア:★×7
伝説の銅の剣。
銅の剣の伝説はここで終わりを迎える。
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……銅の剣の伝説ってなんだよ!
しかも、なんで既に柄まであるんだよっ!
やっぱりあれか? 鍛冶師レベル10のスキルが異常なのか?
これ、見られたらやばいんじゃないか?
恐る恐るバーグの表情をのぞき見ると、バーグは驚いてはいるものの、何か考えているようだ。そして、大きく頷いた。
「……おい、コーマ……そこで待ってろ」
バーグは特に驚く素振りを見せずに、店の外に行った。
そして、ガルフはというと……何か神妙な顔で俺を見てくる。
「ガルフ……俺、何かやばいことしたか?」
「そうだな。コーマがやばいことをするのはこれからかもしれん」
「……は?」
そして、三十分後、バーグが一人のドワーフを連れて帰ってきた。
「コーマ、待たせたな。今のようにしてこれを剣にしてくれ」
バーグが出したのは光り輝く拳大の金属の塊だった。
「これって……」
「いいから鍛えて見ろ」
いや、説明されなくても、俺にはこの金属が何かわかる。
だからこそやばいんじゃないか?
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オリハルコン【素材】 レア:★×9
神々の金属と呼ばれる伝説の素材。
これで何を作っても伝説の装備になる。
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……本当にヤバいだろ。
いいのか? こんなもの使って。
神々の金属オリハルコン、ここにきてようやく登場です。




