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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
第二部 西大陸編 Episode08  六玉収集

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火神と火の神子

~前回のあらすじ~

レイシアと一騎打ちすることになった。

 ちょっとまずくないか?

 精霊の力を全身にまとっている、精霊を装備しているみたいなものか。


 オーラが今までと全然違うな。

 まぁ、ベリアルとかエントとか、そういう化け物の類とは違うけれど、竜化を封じられている俺なら、ちょっとだけ辛いかな。手加減が難しそうだ。


「行くぞ、カガミ!」


 声をかけたのは気持ちの切り替えのためか、それともレイシアの優しさか、直後、俺の真横を槍が通り過ぎ、槍を纏う炎が俺の服を掠める。

 通常の服なら間違いなく燃えていた。


 槍の速度は、クリスやユーリの剣速を超えている。反応の神薬を飲み続けていなかったら躱せなかった。


「ほう、今のを躱すか」


 レイシアが「面白い」といった感じに笑みを浮かべた。記憶を失っていた俺と草牛を狩っていた時とは違う。興奮状態に近いその状態――力が流れ込んできたことにより覚醒トランス状態に陥っているのかもしれない。


 それに、彼女のHPを確認する。


【HP:1810/1920 MP:850/920】


 何もしていないのにHPが減っている……恐らく、今の動きに体がついていけていない。

 本気を出してもレイシアを傷つける恐れが高いが、時間をかけすぎるのも危ないってことだ。


 となれば、レイシアを傷つけずに誰が見ても俺の勝ち確定にもっていくには……一つしかない。

 武器破壊だ。


 再度レイシアの突きが俺を狙ってくるが、剣を抜いてその槍撃を受け止める。


「流石だ、カガミ」

「レイシア、悪いがあまり時間をかけていられないんでな」

「それは残念だ、私はこの時間を永遠に楽しみたいと思っているのに――終わるのか、カガミ、貴様の死を持って――っ!」


 レイシアの槍撃がだんだんとスピードを上げる。

 が――それにともない、レイシアのHPが、MPが減っていく。

 まさに、命を燃やして彼女は戦っている。


 ならば、俺も全力で武器を壊すことにした。


……………………………………………………

火精霊の槍【魔槍】 レア:★×7


火の精霊の力を引き出すために作られた槍。

精霊の力によって切れ味が大きく変わる。

……………………………………………………


 ……いい槍なのに壊すのは勿体ないと思ってしまうのはコレクターの性か。

 でも、そうはいっていられないような。


 相手に俺の狙いを悟られる前に終わらせる。

 勝負が決まるとしたら一瞬。


 レイシアが動いた。

 槍が俺の心臓目掛けて迫りくる。


 俺はそれをサイドステップで避け、剣を振り下ろした。


 金属と金属とがぶつかる音が響き渡る。


 だが――


(壊せない……っ! てかかてぇぇぇぇぇっ!)


 じぃぃぃんと手首に震動が響く。

 一体、どんな素材でできてるんだ?

 分解して作り直したらもっといいアイテムができるんじゃないかな。


「カガミ、貴様の目論見はわかった! だが、そんな考え方で勝てると思うっているのかっ!」


 レイシアの槍が再度俺めがけて突き出される。

 俺はそれを躱し、時には受け流して凌ぐ。ベリアルの受け流しを見ていてよかったと本当に思うよ。


 武器を壊せないなら、次は武器を奪い取るしかない。

 だが、避けてから槍を握るのは難しい。

 受け止めるとしたら、正面からしかないか。


 俺はバックステップで後ろに逃げ、剣をしまい、  


……………………………………………………

竜の鱗手袋【雑貨】 レア:★×6


竜の鱗で作られた手袋。

とても高い魔法抵抗と耐熱性を誇る。

……………………………………………………


 この手袋を取り出して嵌めた。


「レイシア、最後の勝負にしないか?」

「勝負だと?」


 レイシアの眉が動く。


「俺はこの手袋でお前を槍を受け止めて武器を奪う。決してここから動かない」

「……カガミ、本気で言っているのか?」

「ああ、俺はいつでも本気さ」

「…………はははははっ!」


 レイシアはとてもうれしそうに笑い、


「いいだろう、その勝負受けてやろう。だが、そう簡単に受け止められると思うなよ」


 レイシアが槍を構える。

 溢れ出ていた炎が、まるで日本刀のような鋭さへと代わった。

 全てを打ち砕く構え、まともに受け止めたら俺の身が持たないかもしれない。


 だが、俺は逃げない。


「行くぞ、カガミ!」

「こい、レイシア!」


 次の瞬間、レイシアの槍が前に突き出された。

 彼女の槍を出す手は、俺に手袋に阻まれることない。

 彼女の手は最大限前に出た。


 レイシアは俺の心臓を貫いた――そう思ったことだろう。


 だが、彼女は気付いた、俺の手元にあるそれに。


「……カガミ……貴様、まさか――」

「そうさ、アイテムなんてもんは使いようだよな。といっても、俺自身、これをこんな風に使ったのは初めてだがよ!」


 俺の両手は、大きく口を開けたアイテムバッグを掴んでいた。


「ま、俺のアイテムバッグは耐火耐刃の優れものだからできるわけだがよっ!」


 レイシアの突き出した槍は、半分以上俺のアイテムバッグの中へと入っている。そして、俺はアイテムバッグから手を離し、アイテムバッグから生えるように伸びている槍の柄へと握り直した。


「捕まえたぜ、レイシア!」


 俺はそう言うと、その槍の柄を強引に振り回した。

 単純な力比べなら、もう俺の勝ちは決まった!


 槍を離すまいと握っていたレイシアだったが、俺が槍を大きく横に振りまわすと、彼女の身体が横に飛び――地面に滑るように落ちた。


 そして、俺は槍をアイテムバッグから取り出し、くるくると回して、矛先をレイシアに向け、


「俺の勝ちだ、レイシア!」


 勝ちを宣言した。


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