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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode07 小鬼の王

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コーマVSベリアル

~前回のあらすじ~

クリスの勝ち。

「コーマ、もう少しでいけるわ」

「わかった」


 成長したルシルのもう少しという言葉を信じて、俺は斧と杖を片手ずつに持ち、横に大きく跳んだ。


「雷よ!」


 まずは牽制に雷を一発放つ。

 が――


「あめぇ!」


 ベリアルはその雷を紙一重で躱した。雷は奥の壁に激突し、目に見える

 ウソだろ、あのスピードを避けるって、動体視力以前の問題だぞ!


 ベリアルはこちらに向きを変え、拳を振るっている。

 あんな所から何をする気だ!


「コーマ、お前も避けてみなっ!」


 ベリアルは余裕の笑みを浮かべ、こちらに拳を振るい――一瞬のうちに理解した。

 目に見えない何かがこちらに迫ってきていると。


 俺は勘だけを頼りにその場に屈んだ。それは勘ではなく生存本能だったのかもしれない。


 その直後だった、轟音が響いた。

 振り返ると、壁に――決して割れないはずの迷宮に、横向きに亀裂が走っていた。

 あの時、避ける方向を間違えていたら、右や左、後ろなどに跳んでいたら、俺の上半身が真っ二つになっていただろう。


 そして、その壁の向こうには虚空が広がっていて空気が抜けていき――そして徐々に再生していった。


 おいおい、迷宮の壁ってあんななの? 壁の向こうは土塊じゃないの?


 亜空間にあるっていうのは聞いていたけど、壁の向こう側なんて考えたことがなかった。


「おぉ、コーマ、よくやったな。今のを避けたのはお前が初めてだぜ。まぁ、初めて使った技なんだけどな。ははっ、流石は俺様が見込んだ男だ」


 初めて使った技? よく避けた?


 今避けられたのは偶然だ。しかも、竜化第二段階の速度がなければ、屈む前に今の攻撃で死んでいたぞ。


 今のが連続で来たら、俺は戦う前にやられる。

 ならば――俺はアイテムバッグからそれを取り出して、投げた。


「おぉ、なんだ、コーマ! ボールなんて投げて」

「雷よ!」


 俺はそう唱えて、ベリアルがボールと思っている――エレキボムを撃ちぬいた。


「うぉぉぉ、なんだこれ、けっこうビリビリするな!」


 ウソだろ、エレキボムの中で笑ってやがる。

 でも、今しかない。


 俺は大きく前へと跳んだ。


 そして、「雷よ!」と4発目の雷をベリアルの足元へと撃った。

 土埃が舞い上がり、ベリアルの視線を塞ぐ。


「おいおい、コーマ、それで目眩ましのつもりか?」


 土煙の中のベリアルがそんなことを言った。


「あぁ、目眩ましのつもりだよ!」

「そんなのしてもお前が上から来ることがわかってるなら、例えそこで斧を振り下ろしても、簡単に受け流し――」


 煙が晴れた時、ベリアルと目が合った。

 気付いたようだな、俺が片手で斧を持っていたのは轟雷の杖を使うためだけではない。

 エントキラーの向きをスムーズに変えるためだ。


「受け流せるものなら受け流してみやがれ!」


 俺は斧の側面を下にし、大きく斧を振り下ろした。


 エントキラーとベリアルの両腕が衝突する。


 一角鯨の角で作られた柄が大きくしなる――並みの素材だと折れていただろう。

 俺の渾身の攻撃――これまで飲み続けていた力の神薬の力をすべてここに込めた。


 力と力のぶつかり合いだ、これでダメなら、俺はこいつには勝てない。


 だが、そのぶつかり合いのその軍配は……ベリアルに上がった。


 ベリアルのやつ、笑ってやがった。


「かかっ、久しぶりだぜ、この腕が痺れる感覚はよ。だが、これがお前の渾身の一撃だとするのなら、とんだ期待外れ――」

「言っただろ、目眩ましだって」


 俺はそう言うと、柄のしなりを利用して、跳んだ。

 その反動でエントキラーもまた飛んでいき、ベリアルの背後に落ちた。


「おいおい、コーマ! 武器を捨ててどういうつもりだ? まさか俺様と殴り合うつもりか」

「まさか、俺は最初からお前に勝てるなんて思ってないよ! 頭の上がお留守だったな、ベリアル!」


 土煙もそこからの上空からの攻撃も、全てはこの瞬間のため。


 ベリアルが頭の上を見上げた。当然、そこには何もない。


 ベリアルに勝つ必要はない。ベリアルの追い払い方はグリューエルという魔王が教えてくれた。


 俺はそれを見てほくそ笑む。


 ベリアルの足元に浮かんだ、青色の魔法陣を。


「ルシル!」

「転移陣発動!」


 俺の声に呼応するように、ルシルが叫んだ。突如、ベリアルの足元の魔法陣が大きく輝き、ベリアルの姿がかき消えていく。


「こんな勝負俺様は認めねぇぞ! 正々堂々勝負し――」


 それで終わった。

 ベリアルの気配が完全に消えてなくなる。


 ルシルがこちらに駆け寄ってきた。


「コーマ、大丈夫?」

「あぁ、アドレナリンが上がりすぎて、破壊衝動もない――そうだ、クリス達は!?」


 オーガジェネラルと戦っているクリスを見ると――クリスは剣を曲げる妙な戦い方で、オーガジェネラルを圧倒していた。

 ふぅ、あっちもなんとかなりそうだな。


「にしても、相変わらず卑怯なことを考えるわね。転移陣を使って強制退場なんて」

「今の戦いを見ていただろ。ベリアル相手にするにはまだ早かったよ。ま、あと1ヵ月も力の神薬を飲み続けたら、もう少しまともな戦いをできると思うがな」


 それでも、あいつが本気を出したら、やっぱり敵わない気がする。

 暫くはルシル迷宮に篭っていよう。


「ていうか、あいつをどこに飛ばしたんだ?」

「んー、一応、世界の反対側付近に飛ばしたからすぐに戻ってこれないはずよ」


 そうか、なら安心だ。

 隣の国とかなら、走ってきて、すぐにここに現れそうな気がするしな。


 ……弱化の泉が湧くまで残り3分か。


 ふぅ、なんとかなった。

 とりあえず、落ちた轟雷の杖とエントキラーはアイテムバッグに入れておこう。


 横を見ると、クリスがオーガジェネラルの首を捻り斬り落としていた。

 終わった――そう思った時、何かが割れる音がした。


 一体、何が?


「ルシル様っ!」


 ゴブ(仮)の声が聞こえた。

 その瞬間、ゴブ(仮)は何かからルシルを庇うように彼女の後ろに仁王立ちし――虚空から現れたそれに――ルシルごと貫かれた。


 俺の目の前のルシル――そのお腹から手が突き出され、彼女の血が俺の顔に飛び散った。


「おい、コーマ。こんな楽しい戦い、これで終わりってことはないだろうが」


 嘘……だろ。


 空間が割れ――そこからベリアルの声をした、二本の角の生えた黒い肌、赤い目の獅子が現れた。


 突如――俺の中の破壊衝動が膨れ上がった。


 ルシルが倒れたことで――俺の中の封印が完全に解かれた。

今年中に7章終わるのは難しいかな。


何故か新連載書いていますが、あっちは休みの日に書く程度なんで、毎日更新は難しいです。ジャンル的には異世界で俺TUEEEな異世界旅に近いです


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