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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode07 小鬼の王

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勇者VSスライム

~前回のあらすじ~

勇者達がスライム階層に入ってきた。

 私達は闇竜の迷宮、11階層に降り立ち……同時に戦いが始まりました。


「なんなんだ、これは、ふざけやがって」


 フルアーマーの戦士、ギルフィドさんが槍で核を狙い打ちながら、悪態をつきました。

 相手はスライムの亜種、ストーンスライムやアイアンスライム、レア種のプラチナスライムなども混ざっていますが、私達の敵ではない……はずでした。

 その数がありえない数でなければ。


 数が1000を超えている。

 普通のスライムならまだしも、1000を超える硬いスライム相手となれば体力が消耗していきます。

 剣での戦いなら。


「整いました! ファイヤーウェーブ!」

「逝け! サンダービーム!」

「……雪崩」


 炎の波が、雷の一線が、雪の重量が、スライムに襲い掛かりました。

 一度に百近いスライムが無に帰しました。

 ただし、魔力に抵抗の強いプラチナスライムは残っています。


「妙ですね」


 残ったプラチナスライムを一突きにしながら、ユーリ様がそう仰いました。ルルちゃんを背負いながら。


「何が妙なんだ、ユーリよぉ」


 近くの狂戦士が斧でプラチナスライムを叩き割りながら言った。


「スライムが魔石に変わってません」

「言われてみれば」


 私は一突きにしたプラチナスライムを見て呟きました。

 プラチナスライムは、白金の欠片とスライムの核を落としましたが、魔石はありません。


「つまり、このスライムは迷宮の魔物ではなく外部から持ち込まれたってことか?」


 誰かがそう尋ね、ユーリは首を横に振った。


「現段階ではわかりませんが、何があるかわかりません。警戒だけはしてください」


 ユーリの指示に、幾人かが頷く。

 …………あれ?


 さっき傷ついて瀕死状態だったはずのスライム達が治療されています。

 一定の範囲にいるスライムだけが回復……その中心となるのは……?


 すると、天井付近に不自然なでっぱりを見つけました。


「そこ!」


 私は多段ジャンプを使い、宙を蹴り、その天井に剣を突き刺しました。

 すると……その天井のでっぱりは石壁じゃなく布で、しかもその布の中には一匹の、白い羽の生えたピンク色のスライムがいました。


 そのスライムを一突きすると、スライムは赤い液体とスライムの核を落としていきました。


「ユーリ様、スライムを回復させるスライムが隠れています」

「お手柄です、クリスティーナさん! 皆さん、話は聞きましたね!」


 ユーリの叫びを聞きながら、スライムとの戦いはさらに続いた。


   ※※※ 


 勇者とスライムとの戦いを、俺は歩きながら見ていた。

 クリスが大天使アークエンジェルスライムのいる場所を見つけ、倒している光景が映し出されていた。


……………………………………………………

隠れ布【魔道具】 レア:★★★


周囲の景色に同化する布。

カリアナの忍びが好んで使った記録がある。

……………………………………………………


 隠れ布を、接着剤でくっつけて、小さな覗き穴をあけて大天使アークエンジェルスライムに回復させていたのだが、こうも簡単に、しかもクリスに見破られるとは。


「……コーマ、少し顔がにやついてるわよ」

「にやついて……そんなことはないよ」


 幸い、映像送信器はまだ見つかっていないようだが、勇者一行がカメラの見える範囲から遠ざかっていく。

 俺は一度、小型映像受信器をアイテムバッグにしまい、ごまかすように後ろを歩く少年に声をかけた。


「ゴブ(仮)、付いてきてるか?」

「はい、魔王様」


 健気についてくるゴブ(仮)。見た目はクルトと同じくらいの年齢の男。

 結構かわいい姿をしているが、ゴブリンで男なんだよな。


「……そうか……んー、性別反転薬でも飲ませようか」

「コーマ様……こんな時に何言ってるんですか」

「冗談だって、コメットちゃん」


 うん、冗談だよ。

 性別反転薬は軽くトラウマものだからな。

 クルトに2回飲ませようとして、2回とも失敗してるしな。


 186階層は、今はマユとその配下がいた。

 彼女は持ち運び転移陣が握られている。

 今は使えないが、時期が来たら転移陣の封印を除去する。

 その時に、マユ達には蒼の迷宮に避難してもらう手筈になっている。


 彼女の配下全員分の転移石も用意したから。


 マユさんは申し訳なさそうに俯きながら、意志を伝えてきた。


《コーマ様……申し訳ありません》


「悪い……今は後ろのことを心配していられないんだ」


《わかってます。我々の力は戦力にはなりません。どうか、御無事で帰ってください》


 マユはそう言うと、俺の唇に、自分の唇を重ねてきた。


「マ、マユ! この非常時に何をしているの!」


 ルシルがツインテールを逆立てて、叫んだ。

 俺は……えっと、どうしたら?


 すると、マユは黙ってルシルを見て、微笑んだ。


「うっ、そういうことなら……今回だけよ」


 何か二人の間で会話がなされたようだ。

 そして、ルシルが頭に手を当てて、俺に言ってきた。


「コーマ、11階層が突破されたわ」

「……思ったより早いな」


 まだ11階層に入って1時間しか経っていないぞ。

 ゴーレムの壁を破られたってことか。


 この調子なら、スライム階層での足止めは5時間が限界だな。

 やっぱり、足止めは18階層、死のゾーンしかないか。

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