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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode05 緑の牢獄

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エンペラースライムよ喰らい尽くせ!

~前回のあらすじ~

コーマがアイテムクリエイトを唱えた。

 アイテムクリエイト。

 今までこいつには散々世話になってきた。

 力の神薬を作れたのもこいつのおかげだし、ただのスライムだったカリーヌが、アクアリウスに進化できたのもこいつのおかげだ。

 アイテムクリエイトがなかったら、俺はとっくにこの異世界で死んでいた、そう言っても過言じゃないことは俺を見ていた誰もが理解できているだろう。


 ルシファーの力、破壊の力――殺す力の片鱗を借りて覚えた創造の力。

 だが、創造といっても、誰かが作ったアイテムに過ぎない。


 俺が初めて創造したものと言えば、この斧と――そしてこれから作ると思われるスライムだ。

 絶対、誰も作ったことがないだろう。100万ものスライムの核を使ったエンペラースライムを作る。

 そういう意味を込めて、俺は叫んでいた。


「アイテムクリエイトっ!!!」


 そう叫んだ。

 そして、感じるのは繋がり。

 スライムの核とスライムの核の間に繋がる魔力を手で感じ取った。

 普段はアイテムクリエイトを使っている時は感じられないアイテムのつながり。


 今回は違う。

 それが100万個、200万個となれば情報処理に頭がパンクしそうになる。


【壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ】


 殺人衝動の次は破壊衝動か、だが、ルシファーよ。

 お前はいままで何を壊してきたかしらないけどさ、それ以上にいっぱい作ってきたんだぞ。

 アイテムクリエイト――お前から貰ったこの力で俺は多くの物を作ってこられた。

 そして、これからも作って行くんだ。


「だからさ――たまにはその煩い口を閉じやがれぇぇぇっ!」


 俺は力の限り叫んだ。


【壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ】


 ま、こんなことで止まるようなルシファーの力じゃないのはわかってる。

 だがよ、それでもお前に邪魔はさせない。

 だからお前は静かな(うるさい)ままそこで見ていろ!


『何をわけのわからないことをやっておる、この小童がぁぁぁっ!』


 ユグドラシルの枝が俺に襲い掛かってきた。

 俺は斧を取り出し、その枝を払う。


 なぜなら、もうそれはできあがっていたから。


 足元が膨れ上がる。


……………………………………………………

エンペラースライム【魔法生物】 レア:★★★★


多くのスライムが合わさった巨大なスライム。

池だと思ったらエンペラースライムが昼寝していたという逸話がある。

……………………………………………………


 池?

 何言ってるんだよ。こいつが寝ていたらもうそれは湖だよ。


 そんなスライムが出来上がった。

 ユグドラシルおよびその周囲数百メートルを覆い尽くす巨大なスライムができあがった。


『ふん、何をするつもりだ、いくらでかかろうが所詮はスライム! ワシにかなうと思うな』


 わかってるよ。言ってたもんな、エントを倒すには斧か火しか効かないって。

 ユグドラシルでもそれは同じなんだよな。

 でもさ、これならどうだ? 


「エンペラースライム及び周囲にいるスライムに告ぐ! 足元の土を食べるんだ!」


 そして、地面が――足元のスライムが揺れた。

 食べ始めたのだ――大地を!


 もちろん、スライムの力じゃ土は食べれてもユグドラシルの根は食べれない。

 だが、周りの土なら食べられるだろ。


『何をするつもりか知らんが、まずはそのスライムからじゃ』


 ユグドラシルの枝が襲い掛かってくる。

 お前はまだ知らないんだな。


地獄の業火(フレイムオブヘル)!」


 新たな太陽が生まれたのかと勘違いさせるような大爆発が起きた。

 その炎にユグドラシルの数十本の枝が灰になる。


 そう、俺には最高の相棒がいる。

 振り返ると、汗を流しているルシルがいた。

 その姿はさらに成長し、俺と同い年くらいに見える。胸もそこそこ大きくなっている。

 美人に育ったもんだ。

 彼女は俺が渡したエースマナポーションを飲んでいる。


『ならその娘から殺してくれるわ』


 ユグドラシルの枝がルシルへと襲い掛かった。

 確かに彼女一人ならあの攻撃は防ぎきれないだろう。

 だが――俺が見たのは枝を切り払う剣戟だった。


「流石コーマさんの作った剣ですね――、凄い切れ味です!」

「クリス、そいつを頼む!」

「任されました!」


 クリス一人なら荷が重い。

 だが、三本の枝が襲い掛かれば、


炎壁ファイヤーウォール!」


 ルシルの魔法によって作られた炎の壁が二本の枝を焼き尽くし、一本の――炎壁ファイヤーウォールの範囲外の枝をクリスが斬り捨てる。

 ならば――俺もすることはする!


「せいやぁぁぁっ!」


 あいつらを信じて、今はこっちの作戦が漏れないように戦うこと。

 斧を使ってユグドラシルの枝をできるだけ斬っていき、さらに落ちているスライムの核を見つけ、さらにアイテムクリエイトを使い戦力を増やす。


 その間にも土はどんどんと減っていく。

 その時だった――ユグドラシルの根がエンペラースライムに襲い掛かった。足元のスライムが大きく揺れる。

 下からの攻撃にはさすがに俺も手が出せない。


「頼む、耐えてくれ!」


 俺の声が聞こえたのか、土を食べる速度がさらに上がった。

 そして、ユグドラシルの根が全て露わになったとき、とうとうエンペラースライムの核がやられた。


 エンペラースライムの身体が四散し、魔力となって消え失せた。

 俺はエンペラースライムが消える瞬間に大きく後ろに飛び、


「今だっ! 頼む!」


 クリスに抱えられながら落ちていくルシルに頼んだ。

 ルシルは落下しながら詠唱をする。そして――


世界の炎(ワールドファイア)!」


 瞬間――ユグドラシルの根から頂点まで全てを覆う火柱があがった。

 大樹が巨大な炭となる。


 そして、俺は待った。

 再生がどこから始まるのかを待った。


 そして――


「そこだぁぁぁぁぁ」


 今度こそ見極めた。

 エントの核のある根っこを――その位置を見つけた。


 俺はその根の部分に斧を振り下ろした。

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