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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode05 緑の牢獄

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謎の少年とベリアル

~前回のあらすじ~

征服虫という魔物を見つけた。

 俺の渾身の一撃が虫けらへと襲い掛かる。

 だが――不可視の――いや、うっすらと見える膜のようなものが俺の斧を受け止めた。

 魔力障壁レベル10か。


 だが――この程度――グラムから造り出した斧で叩き潰せない訳がない!


「ぐうぉぉぉぉぉぉっ!」


 俺は力を込める。

 次の瞬間、魔力障壁が音を立てて割れた。


 そして、俺の斧はそのまま征服虫へと――当たらなかった。

 再度魔法障壁が展開された。


 もう一度だ!


 そう思ったら――、


「ダメだよ、殺しちゃ」


 そんな声が聞こえた。女性かと思ったがそうじゃない。

 視線を僅かに後ろに向けると、そこにいたのは、男の子だった。


 高そうな服を着ている黒い髪の少年だ。


 ……なんでこんなところに。


「あぁ、ごめん。殺してよかったよ――」


 少年はそう言うと同時に魔力障壁が消えた。

 この魔力障壁は征服虫じゃなく、この子が?


 そう思ったら――征服虫が破裂した。

 内側から破裂し、緑の体液が飛び散る。

 俺の顔にも飛び散ったが、すぐに魔力となって四散した。


 死んだ……のか?

 すべての元凶が?


「あぁ、勘違いさせたみたいだけど、さっきの征服虫がユグドラシルを操っていた、とかそういうオチはないよ」

「え?」

「そもそも、たかが雑魚魔物に魔王を操れるはずないでしょ。エントには斧と炎以外の攻撃は効かない。精神支配も効かない攻撃の一つだったみたいだね。まぁ、最初から無理だと思っていたんだけどさ、まさか効かないどころか、逆に精神汚染されてHPドレインを強制的に使わされて生命力過多によって爆発させるなんて、酷いことするなぁ」


 ……なんなんだ、この子……いや、こいつは。


 そもそも、人間なのか?


 HPもスキルも見えない。


「あぁ、説明してなかったね。僕は鑑定遮断のスキルを持ってるから僕のスキルもHPも調べられないよ、ルシファーの力を受け継ぐ人」


 ――!? こいつ、なんで俺のことを知ってるんだ!?


『なるほど、ルシファーの力を受け継ぐ者か――ようやく合点がいったわい』


 エントの声が聞こえた。

 木の根っこにエントの顔が浮かび上がる。 


『小童め! そんな虫けらでワシを操ろうなど100万年早いわ』

「小童……あぁ、僕のことか。そんな呼ばれ方したことないから忘れてたよ、老木が」


 そう、少年の姿をした何かが言い切った。

 二人の間に火花が散ると、エントの根っこが頭上の土をくりぬいて落ちてきた。

 だが――魔力障壁が俺と何かを守る。

 そして、土と一緒に何かが落ちてきた。


 ベリアルだ。

 ベリアルは俺たちを見て、


「うおぉ、地面が急に砕けたと思ったら――なんでお前がここにいるんだ」


 そんなことを言った。

 俺がここに入って行ったのは見たはずだが――


「ベリー、それは僕のセリフだよ。全く、君は本当に何をしてるのさ」


 何かがそう言った。


「そりゃあれだよ。グリューエルがこのあたりにエントが復活するっていうからよ、見てみようって思ってな」


 そう言うと、ベリアルはエントの攻撃を防ぎ切った魔力障壁を素手で叩き割り、魔力障壁の中に入ってくる。


「僕は、エントが復活するからここには来るなって言ったんだよ」

「ん? おぉ、そうだったか? 悪ぃ、聞いてなかったわ」


 グリュ―エルというらしい名前らしい、少年の姿をしたそれは、魔力障壁を張り直すと、ベリアルの返答に呆れたように息を漏らす。

 この二人の関係がいまいちわからない。


 敵の敵は味方とは限らないし、なにより俺はこいつのことを信用できない。

 理由はない。

 理由はないが、俺の中で警鐘が鳴りやむことがない。

 下手したら、ベリアルやエントよりもやばい何かだ。


「安心して、今回は敵じゃないから。まぁ、貴重な戦力を奪うんだから敵かもしれないけど」


 グリューエルは俺が言おうとしていることを見越してそう言い、何かを考えながらつぶやく。


「それにしてもアルモニーは……いや、そうか……なら仕方ないか」


 アルモニー?

 人の名前か? それとも別の何かの?


「いや、こっちのことだよ。こっちも予定外が続いてね。一番の予定外はベリーなんだけど」

「あぁ、俺様はグリューエルの予定に付き合ってる暇はないからよ。悪いな」

「悪いけど、予定外が続いているんだ。嫌でも付き合ってもらうよ」


 そう言うと、グリューエルが魔法を唱えた。

 この魔法は――聞き覚えがある。


 転移魔法だ。

 しかも、その魔法の詠唱に伴い、ベリアルの足元が輝き始める。


「おい、グリューエル! てめぇ、何をしやが――」


 ベリアルは何をされているのか気付いたが、彼が言い終わる前に、ベリアルの姿が消えた。

 どこかに飛ばされたんだ。


「やれやれ、ルシファーの娘のようにスマートにはいかないな。じゃあね、ルシファーの力を受け継ぐ者」


 そう言うと、残った光にグリューエルも入って行く。

 気付けば俺が一人残され、魔力障壁は消えていた。


「……ってうぉ!」


 天井から木の根が大量に落ちてきた。

 ぐっ、弱点の根はどれだったか、全くわからない。

 そもそも、あれが本当に弱点かどうかもわからないっていうのに。


『ルシファーの力を継ぐ者! お前を殺して、ワシは――ワシはかつての悲願を成就させるんじゃぁぁぁっ!』

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