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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode05 緑の牢獄

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エントの正体見たり

~前回のあらすじ~

ベリアルと手を組んでエントと戦っている。

 エントの攻撃は止まることを知らない。

 手数が増え続けている。



「百裂咆哮撃ぃぃぃぃっ! うるうあああぁぁぁらあぁぁらあぁぁぁらあぁぁらあぁぁぁぁぁっ!」



 頭上ではベリアルが迫りくる枝を時には足場に利用しながら、攻撃を加え続けている。


 化け物だ。


 そして、枝が落ちてくる。

 枝が……ん?


……………………………………………………

ユグドラシルの枝【素材】 レア:★×7


ユグドラシルの樹から伸びた木の枝。

無限ともいえる強大な生命力を持つ。

……………………………………………………


 ユグドラシルの枝……なのか。

 ただの枝と思っていたが、凄いレアアイテムじゃないか。


 って、そうじゃない!

 エントの枝じゃないのか!?


 エントの力をユグドラシルに封じたわけで、エントとユグドラシルは別の存在だと思っていた。

 だが、違う。


 俺達が今戦っているのはエントじゃない。

 世界樹――ユグドラシルだ。


 ならば、HPが見えないのもわかるし、何より、その生命力も納得できる。


「ベリアル! この樹はエントじゃない! ユグドラシルだ!」

「あぁぁぁっ!? 何言ってやがる! ユグドラシル!? なんだそれ」

「きっと、エントがどこかでユグドラシルを操ってるんだ!」


 つまり、俺達が戦っているのは、ユグドラシル――世界樹の生命力ということになる。


『ふはははっ、よくぞ見抜いた、偽ルシファー! じゃが、それがわかったからといって何になる!』


 正直に答えてくれた。

 だが、確かにそれがどうなる?


 今までと一緒だ。

 俺ができるのは、ユグドラシルの生命力が尽きるまで攻撃を続けるか、それとも――エントの核となる部分を見つけるか。

 だが、ユグドラシルの生命力は無限大だと


 俺はそう叫びながら、脳内でユグドラシルの枝から作れるアイテムを検索する。

 これは――!


「アイテムクリエイト!」


……………………………………………………

ユグドラシルの杖【杖】 レア:72財宝


ユグドラシルの枝によって作られた杖。

扱うものに強大な魔力を与える。

…………………………………………………… 


 種に続き、枝から作れる杖も72財宝だったのか。


 グラムに続き、レシピがわかった2種類目の72財宝ということか。


 俺は斧をアイテムバッグにしまい、杖を両手で持った。

 凄い――握っただけなのに力が溢れてくるのがわかる。

 これは――もしかしたら。


火炎球ファイヤーボール!」


 俺がそう唱えたら、さっきの火炎球ファイヤーボールの十倍もの威力の炎の球が飛び出していった。

 それがエントの――いや、ユグドラシルの枝に衝突し、枝を弾き飛ばす。


 無限の生命力から与えられる強大な魔力。


 もっと大きくできるんじゃないか?


 だが、俺がいくら大きくしても、世界の炎(ワールドファイヤー)には敵わない……か。

 せいぜい枝を砕くくらい。


 ならば、この杖をルシルに渡すか――いや――炎の強弱の問題じゃないんだ。

 俺はユグドラシルの杖をアイテムバッグに入れて、


「明かり《ライト》」

 

 光の魔法を唱えた。

 明るい球が空に飛びあがる。


 これが――ルシルへの合図だ。


世界の炎(ワールドファイヤー)


 再び炎がユグドラシルの幹を燃やす。

 それだけだ。


 すぐに再生していく。


 根から――根っこから――しかも、一本の根から。

 さっきも気付いた。

 ユグドラシルの樹の再生速度には違いがある。

 根元のほうが再生が早く、天辺に行くほど再生が遅い。


 大地から生命力を吸い上げているのかと思ったが、それも違った。

 根っこにより再生速度が違う。

 それは何故か?


 そんなの決まっている、ユグドラシルの――エントの核がそこにあるからに決まってるだろ!


「そこかぁぁぁっ!」


 俺はそう言うと、斧を振り下ろした。


 木の根っこではなく、大地へと。


 そして、大地が二つに割れた。


「ベリアル! 上は任せた!」

「てめっ、抜け駆けはズル――うおっ」


 ベリアルはユグドラシルの枝相手に苦戦している。

 俺よりもベリアルの方が危険だとエントは判断したんだろう。


 そして、俺は割れた大地の中へと入って行く


 そこは――迷宮の最奥――ドリーと別れたあの場所だった。

 迷宮の壁や天井は切ることはできない。


 やはり、ここはもう迷宮ではないのだ。

 そして、魔王だったドリーはどこにもいなかった。


 どこかに逃げたのか、それともエントに殺されたのかはわからない。

 そして――あんたがエント……じゃないのか。


 俺が見たのは――成人男性くらいの大きさの一匹の虫だった。

 セミの幼虫のような、茶色い虫が――木の根っこにひっついていた。


【征服虫:HP7000/7000】


 なんだ……これは。


【完全支配レベル10・誘惑レベル7・HPドレインレベル8・催眠レベル5・魔力障壁レベル10】


「……まさか、お前が黒幕なのか!? 2000年以上前にエントが急に人を襲いだしたのも、ユグドラシルを操ってるのも、お前が――」


 俺は斧を振り上げて叫んだ。


「この虫けらがぁぁぁぁぁっ!」

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