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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode05 緑の牢獄

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できたぜエントを屠る最強の斧!

~前回のあらすじ~

斧を作る最後のパーツが揃った。

 ルシルが火炎の巻物を読む。ある程度読むと、火炎の巻物は白紙のスクロールへと姿を変えた。


【天賦の魔法才能レベル10・氷魔法レベル10・転移魔法レベル10・回復魔法レベル10・封印魔法レベル10・氷封魔法レベル10・光魔法レベル10・祝福魔法レベル10・火炎魔法レベル10】


 炎の魔法が苦手だといっていたのに、きっちりレベル10まで上がっている。

 天賦の魔法才能のスキルは本当にチートだ。


【HP358/358・MP26/126】


 ルシルのMPも100上がっている。

 でも、まぁそのMPはすぐに下がっていく。


【HP358/358・MP26/27】


 結局、1増えただけで止まる。

 でも、俺が竜化した場合、ルシルも成長して、実は最大MPが10くらい上昇しているらしい。


「ルシル、魔法は使えそうか?」

「待って、今から解析するから。チョークか何か持ってない?」

「解析?」


 俺はアイテムバッグからチョークを取り出してルシルに渡しつつ尋ねた。


「魔法書でスキルを無理やり修得しただけだから、今のままだと初期の3種しか使えないのよ。私自身を解析して使える魔法の詠唱と消費魔力を調べてるの」


 そう言い、ルシルはぶつぶつと呟きながら、文字列を書いていく。

 この世界の共通語でも、もちろん俺の世界の文字でもない。見たこともない文字の羅列。ルシルにかけてもらっているはずの言語理解の魔法をもってしてもわからない文字が並べられていく。

 スキルの解析という離れ業を、本当に彼女は、なんの補助道具もなしでやっているっていうのか。

 まぁ、外出したいからという理由で、持ち運び転移陣を一瞬で作りだすルシルなら可能なのかもしれないが。絶対に敵には回したくないな。


 待つこと5分。

 床びっしり書かれた白い文字の意味はわからないが、


「解析が終わったわ」


 ルシルはそう告げた。

 マジか。ひと眠りする暇もなかった。


「竜殺石を熱したらいいだけなのよね?」

「あぁ、できるだけ高温で。ただし、床は熱し過ぎたら俺が立っていられなくなるから石だけを熱してほしいんだが」


 流石に難しいか? 専用のかまどを作ったほうが確実か?

 と思ったが、


「コーマが竜化第一段階になれば、レベル8相当の魔法がぎりぎり使えるからそれでできるわ。ただ、本当にギリギリだから、さっき使った分のMPを回復させてほしいの」

「マナポーションでいいか?」

「コーマの作ったマナポーションなら2本で十分よ」


 俺のマナポーションは1本でMP1000回復するとか言われているんだけどなぁ。それでも1本じゃ足りないのか。

 それならば、と俺は通常のマナポーションの3倍の威力があるエースマナポーションを取り出して、ルシルに渡した。

 ルシルはそれを飲み干し、MPを回復させた。

 さらに、作業中にMPが尽きるだろうから、10本追加でルシルに渡しておく。


 そして、俺は旧魔王城跡地の一番底――迷宮の床の上に竜殺石を置く。

 周りの土と違い、迷宮の床は決して壊れない上、平らだからな。

 さらに、火属性が付くように願いを込め、ファイヤーサラマンダーの鱗を砕いて乗せた。


「コーマ、封印第一段階を解くわよ」

「あぁ……頼む」


【竜化状態が第一段階になりました】


 それに伴い、スキルの変動が通知される。

 破壊衝動の声はいつも通り聞こえてくるが、もうBGMと思って聞き流せる。


 ただ、そのまま破壊衝動を聞き入れてしまい、竜殺石をさっきみたいに叩き割ったら最初からやり直しになるから気をつけないといけない。


「ルシル、頼む、やってくれ」

「ええ」


 ルシルはそう言い、小さく息を吸い込んだ。

 そして、


【原初と終焉を告げる炎は等しく創造と破壊は表裏に結びつき常に世界の核となる――今こそその力を呼び起こし燃やし尽くせ! 世界の炎(ワールドファイヤー)


 大地から――炎が飛び出した。

 その炎は竜殺石を避けるように10メートルの高さの天井へと延びていき、天井に到達すると360度広がって行く。

 一瞬で汗が噴き出て、鱗の隙間から零れ落ちる。

 そして、炎は10秒ほどで消えた。


 よし――今だっ!


 俺はプラチナハンマーを振るった。

 竜殺石が僅かに変形する。

 だが――、


「ルシル、MPを回復しておいてくれ! この石、思ったより冷めるのが早い!」

「わかったわ」

 

 10回打ちつけたらプラチナハンマーは使い物にならなくなり、15回打ちつけたら竜殺石が冷めて変形しなくなる。

 20回打ちつけたら作り直したプラチナハンマーが再度使用不可になり、30回打ちつけたときには修復と熱する作業を同時にする。


 力の妙薬も途中で効果が切れ、再び力の妙薬を飲む。


 そんな工程を続けること1時間。


「……できた」


 ついに、完成した。

 柄の部分は、一角鯨の斧から作ったポセイドントリアイナを使った。

 そして、その完成した斧を見ると――


……………………………………………………

竜殺石【素材】 レア:★×8


かつて竜を封印するために作られたという石。

これを使って作られた武器は竜に対して強い特性を持つ。

……………………………………………………


 となった。これと似たようなことはあった。創作料理を見たときなどは、こうして素材だけが表示される。

 柄の部分を見ると、


……………………………………………………

一角鯨の巨大牙【素材】 レア:★×7


一角鯨が一本だけ生やす巨大な牙。

長ければ長いほど力のある一角鯨と呼ばれる。

…………………………………………………… 


 と出た。やはり素材の名前しか出てこない。

 つまり、この斧は正真正銘俺が作ったオリジナルの斧ということだ。


 できた。やっとできた。

 黒く輝く斧。


「コーマ、その斧ってコーマのオリジナルの斧なの?」


 流石にルシルも疲れたのだろう、肩で息をして俺に尋ねた。しかも決して美味しいとはいえないエースマナポーションを何本も飲んだんだ。本当に感謝している。


「鑑定でも名前が出ないからそうだと思う」

「なら、名前はどうするの? コーマの斧?」

「やめてくれ……そもそも、どんな効果があるのかもわからないからな。竜特効は絶対あると思うんだが、炎属性はついたのかな」


 竜化を解除してもらい、斧を持つ。ずっしりとした重さが両腕に伝わった。

 重いな、はは。でも、この重さなら、行けるだろ。

 

「ぶっつけ本番と行きますか!」

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