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報われなかった日々

作者: 夕波テイト
掲載日:2015/06/19

他作品と違い全体的に暗い感じになってしまいました。

書くのが久しぶりと言うのもあるのかもしれません。

 今日の青空も、なんだか鈍く見えた。日本語としておかしいとは思うが、実際に感覚としてそう見えているんだから仕方がない。圭輔は中庭の百葉箱の傍らで、大の字になってごろんと寝転んだ。

 俺は高校受験に失敗してしまった。受けたその私立の学校は、この近辺での高校の中では圧倒的にトップで、通っていた中学からは誰も、今までも通して誰もいなかった。なんで落ちたのかと言うと、学力はもちろんのこと、その理由は挙げようと思えばいくらでもあげられるが見苦しいので、ここでは割愛しておく。たった一日で今までの努力が水泡に帰してしまったときの絶望と言ったら筆舌に尽くしがたい。合格発表の帰り道、笑顔の合格者がちらほら周りにいる中で付箋がびっしり貼られている単語帳を見ていたら笑いが止まらなかった。この努力はなんだったかのか、と。そんでここ波丘高校に来た。この高校も一応進学校で他校と比べてももちろん優れているし、全教室がオーシャンビューだし悪くないと思っている。だけど、だけどもやはりあの私立に行きたかった。無意識に握った手の爪が手のひらに深く食い込んだ。


 授業終了の礼とともに椅子に崩れる。もう今は6月で体育祭の準備で忙しく、授業中何度も何度も船を漕いでいた。

 「なー元気ないな?大丈夫?」そう聞いてきたのは青山だ。クラスのムードメーカーで、初日からまるで皆のこと知っているかのように接していた。そういえば青山は初日から呼び捨てで皆を呼んでいたな。

 「ああ大丈夫だ。気にしないでくれ。」少し枯れた声になってしまった。

 「そっか。無理すんなよ。」

 「あんがと。」

青山は手をひらひらとさせ、離れた席の男子のグループにちょっかいかけに行った。

そいつらはサッカー部の奴らで、この時期なのにもう肌が綺麗に焼けている。背中をバンバン叩いたり、大声で笑っていたりなんだか眩しい。やはり部活の仲間同士だと仲がよさそうだ。俺はいまだに部活に入っていない。受験失敗のショックを未だにずるずると引っ張っているのと、「部活」に真面目に取り組んだことが無いからだ。中学に入っていたのは科学部で、週一にしか活動せず先生がやってくれる実験を見て、感想を言うだけの簡単なものだった。そんなんだったから部活を通して友情を深めるだの新しい友達ができるってことは無かった。

 そういえば4月の自己紹介の時、サッカーとかバスケとかのいわゆる花形の部活のイケメンがはにかみながら、凛々しく立って話し出したとき、全く声に出しているわけではないが、教室がなんだかきらきらとした羨望と言うか崇拝と言うような橙色の感覚で満たされていった。そんな真面目に部活やっていなかった俺はなんだかいたたまれなくなった。そんななか手芸部に入っていた永倉は、文化部なのになんか別のベクトルのそんなオーラを出していたが、そんなもの出せるわけが無かった。

 俺はどこで間違っていたのだろうか?身の丈違いの高校を目指してしまったことだろうか?部活に真面目に取り組まなかったことだろうか?それともなんとなくそういうヒト達を無意識に見下してしまっていたのだろうか?

 潮風を浴びながらそんなことを考えていた。まばたきしたらうっかり泣きそうだった。

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