会議と白雨
食堂で固まっていた。
そこにご飯が届く。
今日はラーメンと餃子と炒飯らしい。
中華三昧万歳っといつもならなるはずなのにまだ固まっていた。
「坊主、食べないなら下げるぞ?」
我に返り
「食べます。好物なので固まる程驚いただけです」
急いで食べ、自室に戻る。
そしてメニュー画面を開き、今までなかったイベントの文字が出ていたのでタップ。
〜ゴブリン10000襲来イベント〜
3日後の午後3時から始まります。
始まりの街を守れ
もしゴブリンが街を壊したら、始まりの街は消滅します。
全力で討伐してください。
ゴブリン10000襲来イベントに参加する方は3日後の参加/不参加の投票の後、別空間の始まりの街に飛ばされます。
そこにはプレイヤー諸君とモンスターしか居ない世界なのでアイテム等は前もって準備してください。
討伐が多いプレイヤーには報酬があります。
上位5人には報酬としてランダムで1つスキルを配布します。
と書いてある。
読み終りベットに横たわると
チリチリチリーン
慌てて周りを見渡すが電話など無い。
もしかして?っとメニューを開くと念話の所が光っている。
念話をタップ。
「もしもし、ラカ君か?シマジロウだけど少し話がしたい。いいか?」
「はい。大丈夫ですよ?もしかして先ほど流れたログのイベントの事でしょうか?」
「そうだ。いきなりゴブリン1万匹なんて無理だろって思ってなぁ…ラカ君ならいけるのでわないだろうかって思ってなっ」
「流石に1人では倒しきれません。
今日だってゴブリン200匹も倒せていませんからね…ただ、課金者の中には武器が当たってる方が居るかもしれませんので、その人が無双すると思ったのですが…あんまり期待しない方が良さそうですよね?」
「そうだなぁ。確かに課金者の中で武器が当たってる人は俺の知る限りでは2人だ。
でも2人は武器以外持っていないのだ。
だからHP面にはちょっとキツイのではと思うのだ。」
「そうですか…念話じゃ二人だけの会話になっちゃいますので、シマジロウさん、何人かに声をかけて明日の朝10時にハト宿に集まりませんか?店員さんにお願いして食堂をお借りしますので」
「あぁそうしよう。人数は分からないが色々回ってみるよ」
そして念話を切り食堂のおっちゃんに話をつけに下りる。
「おっちゃん、明日朝の10時ぐらいから食堂で話し合いたい人達がいるのですが場所借りてもいいですか?」
「いいけど条件がある。注文しろよ?」
ガッハッハと笑うおっちゃん
「はい」
部屋に戻りステータス画面を開きPointを振り分けて寝た。
目が覚め顔を洗い食堂に向かう。
おっちゃんに挨拶をして椅子に座ってシマジロウを待つ。
ぼぉーっとしていたらシマジロウが来た。
後ろには2人いた。
「待たせてすまない。PTリーダーの2人を連れてきた。とりあえず自己紹介からだな。」
子供が一目みたら泣きそうな怖い顔をした人が前に出てくる。
「ワシの名前はエンマ、種族は鬼だ」
続いて、猫耳が特徴で綺麗な人が
「私は……キャンディーだ、種族はケットシー」
キャンディーさんは、名前を言うのをハズがしがっていた。
「僕はラカ、種族は………」
皆も言ってくれたのに自分だけ言わないのはダメだよね…
「妖狐です。」
3人は狐だと思っていたので驚いていた。
やっぱこうなるよねっ…
ラカはカウンターに座っているおっちゃんに、オススメの飲み物とつまめそうな食べ物を注文する。
「キャンディー、エンマあの事を話してもいいか?」
「ええ」「ああ」
2人が返事をすると
「エンマとキャンディーは課金者だ。だからって差別するつもりもない。
逆に心強い同士だ。」
と照れ臭そうにしているシマジロウ。
やっぱりあの二人は種族ガチャしているのだろう…
「一応僕も課金者です」
「分かっている。だから2人をここに連れてきたのだ。
話を戻すが、ゴブリン討伐なら皆は出きる。
だが数が数だけに如何しても倒しきれない。何か案はないか?」
「私は魔法を使いますが量が量だけに魔力が保たない」
「向かって来るゴブリン等全力で、倒してしまえ」
といい話が纏まらない。
これでは会議にならない。
「僕はゴブリンのダメージが効きません。
だからゴブリンの群を突っ切り後ろから倒して行きます。」
3人が口を開けながら固まっていた。
そんな時におっちゃんがコーヒーとショートケーキを人数分テーブルに置いてカウンターに戻る。
それと同時に
「そうだなぁ…各自全力でゴブリンを倒せばいいか?エンマ、キャンディーそれで良いか?」
「それで問題ない。ワシは目の前のゴブリンを蹴散らす。」
「私は、門に登り、魔力が続く限り魔法で対処しますわ」
っと言いながらケーキを食べたり、コーヒーを飲んだりしていた。
シマジロウは皆の言葉を考え、下手にチームワークを作ろうとせず、やり易い方がゴブリンの数を減らせると思った。
「よしこれで決まりだな。他に質問はないか?」
「装備ガチャで武器当たった人は居ますか?」
エンマはラカを見てハンマーを取り出す。
シマジロウは刀を取り出す。
2人が装備ガチャで武器を手に入れた事が分かったのでラカは一礼する
「エンマさんとシマジロウさんが武器持ちなんですね。僕は見ての通り防具持ちです。キャンディーさんは何も持ってないみたいですね?」
「私はスキルガチャしかしていないのでまだまだ弱いです。ですが役に立つはずです。」
キャンディーはプルプルしながらラカを睨む。
慌てたように手を前に振りながら、
「機嫌を悪くしたなら謝ります。すみません。でも勘違いをしないで下さい。種族ガチャでハズレはないと思います。そして、スキルガチャまでしてるなら強いと思います。但し、僕はともかく、皆さんはダメージがあると思うので無茶だけはしないで下さい。」
「ならいい。」
言い分ももっともなので怒りが消えてケーキを頬張る。
皆食べ終わり話す事は終わったと席を立つ。
慌てて
「皆さん、フレンド交換しませんか?」
シマジロウは、ニヤニヤ此方を見ていた。
2人が振り返りフレンド申請を送り手を振って宿を去って行く。
承認を押し
「ありがとうございます。」
っと頭を下げる。
ハト宿のおっちゃんはそれを見据えて
「コーヒーとショートケーキ4つづつで代金250Rなッ」
ハト宿を後にギルドに向かう。
目的はゴブリン討伐依頼の報告だ。
ラカは宿屋とギルドにある焼き鳥屋の前まで悩まされる。
それはいい匂いがするのだ。
又しても天使と悪魔が喧嘩をしている。
今回は悪魔が勝利してしまっていた。
気が着いたら手には焼き鳥が5本も持っていたのだ。
食べながらギルドに向かってる途中に疑問な事に気がついた。
熱々の焼き鳥ってアイテムボックスに収納出来るのだろか?アイテムボックスに閉まったら熱々のままで取り出せるのか?と思ってしまったのだ。
手にある焼き鳥をアイテムボックスにと念じたら焼き鳥が手から消えて無くなる。
メニュー画面を開きアイテムボックスをタップしたら焼き鳥が20マスある内の1マスに焼き鳥×4と出ていた。
同じ種類は1マスで収納出来るのかと思い夜にでも焼き鳥を取り出して熱々のままなのか調べようとする。
そんな事を考えてたらギルドに到着していた。
ギルドの中に入り、今日はおばちゃんが居たのでそこに向かっていく。
「おばちゃん、依頼報告に来たよ〜」
「はいはい、ギルドカード貸してね…こんなにも倒して来たのかい?もしかしてゴブリンの集落でも見つけたのかい?」
「そうなんです。でもそこの集落は潰したからもぅないよ?」
おばちゃんは驚き、こんな子が集落を潰すとは思っていなかったからだ。
「まぁいいさぁ、報酬出すからちょっとお待ち」
ニコニコしながら待っていた。
「これが報告の3600Rだ。間違いないか確認しな」
両手で報酬を受け取り、ステータスに送る。
視野の下に3600ゴールド入りましたと出る。
「確かにありました。ありがとうございます」
とお辞儀をしてギルドから出る。
懐が温まったのでイベント用に武器かアイテム等を買いに行こうと思う。
ショートナイフを買った商人の所に向かうと迷子になってしまった。
「はっ…ここは何処?
まぁ歩いてたら分かる道に出るよね?」
などと呟き、途方もなく歩いて行く。
しかしこの街は広かった。
そりゃぁそうだ。
プレイヤーとこの街の住む人達が入るのだから。
空が段々とオレンジ色になりかけた頃、
カキン、カキンと音がなる。
ラカは不思議とその場所に足を運ぶ。
目の前には工房とも思える場所だった。
看板にはハンマーが剣を叩いてる絵がある。
扉を開け
「こんにちわ」
剣を叩いてる最中だったドワーフが低い声で
「これが打ち終わったら行くから待っておれ」
と言われラカは辺りを見渡して椅子に座る。
やっぱりここは武器など作る場所なのかなぁっと思い、じっとドワーフの作業を見ていた。
しばらくして作業が終わったのかドワーフが此方に来た。
「なんのようじゃ?」
っと睨みつけてきた。
「ここって鍛冶屋ですよね?武器などは置いてないでしょうか?厚手がましいですがあれば見たいのですが…」
鍛冶屋なら置いてないかも知れないけど聞くだけ聞こう。
「武器は武器屋で買えばいいじゃろ?」
当たり前の事を口にした。
「鍛冶屋なのは分かっています。でも武器を買うのは武器屋だけではないと思って…先ほど剣を打っている姿を見ましたが、ここならもしかして作ってるんじゃないかと思いまして。」
ドワーフは目を開き
「お前さん、名前は何て言うんだ?」
「ラカと申します。」
「分かったわい。お主は幾ら出せるのだ?それ相応の物しか見せれないぞ?」
「あっはい、手持ちは6700Rありますが出来れば耐久値が高い剣が欲しいのですがありますかね?」
ドワーフは悩む
「一本だけならある」
ドワーフは奥の部屋に歩いて行った。
待っていたら戻ってきてカウンターに武器を置く。
見た目は真っ白い小太刀。
しかし見た時には美しく欲しいと思える品物。
ドワーフは悩みながら説明してくれた。
「ワシは戦うのは専門じゃないが、武器に関しては専門家じゃ。お主はこの剣を見てどう思うかはわからんのじゃが一言言うならばお主には長い剣は使えない。何故かと言えば鞘から剣を出す時の腕の長さが足らんのじゃ。剣を極めてる者ならいざ知れず、お主の腰にあるのはナイフ系だろ?剣を余り使ってないと見た。緊急時に武器を取り出すのが遅くなったら致命的だ。だからお主の合う武器はコレだと思ってな。」
ここまで考えてくれていたとは思わず驚いた。
「そこまで考えてくれていたのはビックリしました。それでこの値段はおいくらですか?」
「他ではこんな安い額じゃないがお主なら6700Rでいい。でも一つだけ約束してくれ。この小太刀は一点物でワシが心を込めて作った一振りじゃ。大事に使ってくれ。」
ほぼ全財産かぁ…でも欲しい。
「分かりました。大事にしますのでこれ下さい」
ドワーフの目を真っ直ぐ見てお願いした。
お金を渡し、武器を受け取る。
そこには小太刀のステータスが表れる。
〜説明文〜
D装備
名前 白雨
効果 斬れ味が落ちない
力+35
耐久値 300
白雨を鞘から引き抜き、美しく煌めく。
刃紋は互の目でその部分が白い…初めてそんな刀を見てしまった。
こんなの6700Rじゃ買えないのが分かる。
ドワーフの顔を見て無意識に頭を下げてしまう。
ドワーフはニコニコ笑い
「死ぬなよ」
っと言われ店を後にする。
そして空は暗く、白雨を腰に差しハト宿を探すのであった。
名前 ラカ
年齢 15才
種族 妖狐
LV 6
HP 680
MP 540
力 70(+35)
防御力 73(+219)
素早さ 80(+240)
賢さ 65
運 25
Point 0
装備
武器 白雨
頭 九尾の仮面
体1 シャツ
体2 白魔装束〔体2と脚2のセット服〕
右腕 無し
左腕 無し
右手 身代わりの指輪
左手 無し
脚1 短パン
脚2 白魔装束〔体2と脚2のセット服〕
足 初心者の靴
スキル
アクティブスキル
雷魔法 LV2
治癒魔法 LV1
生活魔法 LV1
魔眼 LV1
隠蔽 LV10
パッシブスキル
身体機能 LV1
鷹の目 LV1
HP自動回復 LV10
MP自動回復 LV10