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昇格試験2

ギルドマスター(シュナイザー)から試合の合図が出される前に魔法禁止が唐突に言われ戸惑いが生じた。

 縮地法でジョナさんの懐に接近するつもりが、 力加減を誤って相手の背後まで飛んでしまった。

 過ぎた事は仕方ないジョナさんを伺うが、 反応仕切れていないようだ。

 ここは一太刀入れるべきだと小太刀をジョナさんの背中目掛けて振り下ろすと ”ギィィン” っと甲高い音が鳴り響く。

 小太刀の先を見ると大剣の腹で受け止められていた。


「ヒュー。 動きも斬撃も早いねぇ。 これだけって事はないよな。 もっと本気で掛かって来いよ」


 ジョナさんはまだまだ余裕の表情をしている。

やはりこの程度の実力ではCランクには冒険者には通用しないのだろうか?

いや・・・ 縮地法には反応しきれていない様子だった。

それなら斬撃が遅いのか?

他の人の戦闘も碌に見た事もないけど、 自分では早い方だと思っている。

それじゃあ何か他にあるのか?

分からない事を考えても埒が明かないので考えるのはやめておこう。

戦いの中でヒントを探すしかないか。


 次々と小太刀を振るうがすべてジョナさんに払い退けられる。

何故かジョナさんは攻撃をしてこない。

実力を見極めているのだろうか?


 そうして暫く攻撃を続けるが一撃も当てられず、 斬撃速度も落ち攻撃回数も減り簡単に躱されるようになってきた。


「何も考えずに刀を振るうからバテたんだよ。 ちょっとは考えて攻撃しやがれ。 お前の攻撃は単調過ぎるんだよ」


 突然、 腹部に衝撃が襲いかかりジョナさんとの距離を離されてしまう。

体制を整えようと焦るが着地に失敗し片膝をついてしまう。

ジョナさんを見上げると、 大剣を頭の上に振り上げ今にも振り下ろされそうだ。


 ヤバい、ヤラレる。


 目を瞑り、 痛みに耐えようと歯を食いしばるがいつまでたっても衝撃が襲ってこない。

おかしいと思いジョナさんを見ようと見上げると、 ギルドマスター(シュナイザー)の背中が見えた。

筋肉に覆われた腕で大剣を止めていた。


「ジョナ! これぐらいにせぇ。 まだGランクのヒヨッ子に何マジで攻撃してやがる!」


 ギルドマスター(シュナイザー)が攻撃を止めていないと、 いくら刃が潰れた大剣でも怪我だけでは済まなかったかもしれない。


「Gランクだろうがこんだけの力があるのに基礎がなってねぇ! こんなの見てたらイライラするだろうが!」


唖然とジョナさんを見てしまう。


「まぁこれからの期待のルーキーなんだから熱くなるな。 ラカ君の実力は判った。 Eランクでも十分に活躍できるだろう。 今はその実力で通用するかもしれないがCランク以上になればステータス頼りの戦い方をしていれば必ず死ぬぞ。 心に刻んでおく事だな。 ガッハハハ」


ギルドマスター(シュナイザー)の言葉でジョナさんも頭が冷えたのか冷静な表情に戻っていた。


 確かに俺は戦い方を知らない。

ステータス頼りの戦い方にも限界があるのか・・・

もっと戦い方を学ばなければ黒の組織(アイツら)にも遠く及ばないだろうな・・・


 立ち上がり、深々とお辞儀をする。


「ありがとうございます。 戦い方はもっとっもっと学んで恥じない戦い方を覚えます」


「そうするがいい。 今日から君はEランクだ。 おめでとう。 受付でギルドカードを更新してもらいな」


 この場にいる三人から拍手をもらい少し恥ずかしがっていると


「さぁギルドカードを更新するからこっちに追いで♪」


 サリーさんは手招きをし、ギルドの受付まで誘導してくれる。

暫く待ってほしいとの事でカウンターで待っているとサリーさんが笑顔でギルドカードを渡してくれる。


「Eランクおめでとう。 これがEランクの証よ」


 サリーさんからギルドカードを両手で受け取るとり昇格試験を合格したのを初めて実感できた。

ギルドカードをまじまじと見てしまった。

色は白から青色に変わっており、 堂々とEランクを名乗る事が出来るのだ。

しかしまだまだ実力不足なのでここは一つ情報が行きかっているサリーさんに質問してみよう。


「ありがとうございます。 あのですが、 お尋ねしたい事がありまして・・・」


 ついつい顔を伏せてしまう。


「今日の試験で判ったのですが、 剣術系統の戦い方を教えている場所や人など居ませんか?」


 こう言う情報はギルドに集まるだろう。

そう思っていたが・・・


「戦い方を教えてくれる人ねぇ・・・ 剣術スキルなんか教えている人はいるんだけど、 戦い方は臨機応変が基本となるからおいそれと人に教える事はないと思うの。 師と弟子関係は中々できる事じゃないの。 誰それ構わずでいいならギルドで依頼を受け付けるけど膨大なお金を積まないと雇えないわよ? それでも依頼を出す?」


 確かにおいそれと弟子を採る人も少ないだろう。

もし自分が弟子にして下さいと頭を下げられても断るだろう。


「もしで良ければ俺が戦いの基礎ぐらいなら教えてやるよ。 但し! はした金は貰うがな」


 後ろから声を掛けられ後ろを振り向くと、 つい先ほど手合わせをしたジョナさんがいた。


「ジョナさんが教えるなんて珍しい事もあったものね。 ンフフフ。 もしかしてこの子の事気にいったのかしら?」


 僕を置き去りに話は進んで行く。


「そりゃまだ戦いの基礎もできてないEランクの小僧に少し不意を突かれたりしちゃぁ戦い方を少し教えるだけで化けるかも知れないじゃないか。 借りを作ってる方がいいと思ってな」


「そうよね。 ジョナさんに頼みなさい。 悪いようにされないはずよ♪ 」


 突然話を振られて頷く事しか出来なかった。


「よし、 それじゃあ特訓する場所と時間は指定あるか?」


「場所の確保は全然決まっていませんが、 時間は二日に一回にしてほしいです。 僕もパーティーで行動していますので二日に一回休日を入れると決まっていますので」


「そうか。 場所はまぁここの訓練所を使わして貰えばいいだろう。 サリーさんそれで大丈夫か?」


「いいわよん♪ でもしっかり一時間五百R(リラ)は払って貰うからね」


 やはり訓練所を使うのはお金掛かるのですね。

まぁそれで思う存分刀が振れるのならば安いものだろう。


それじゃあ明後日の二回目の鐘がなる九時にこの場所で集まる事にしようか。 それじゃあ仕事に行って来るからこれで話は終わりだ」


 ジョナさんはギルドから出て行ってしまった。


「あのサリーさん、 何故ジョナさんは僕なんかを鍛えてくれるのでしょうか?」


 疑問に思い首を傾げてしまう。

サリーさんは微笑みながら答えてくれる。


「何故かしらねぇ? 多分ラカ君の事が気にいってしまっただけかもしれないわよ。 ジョナさんが他の人の面倒を見るような人じゃないからこんな事は滅多にないの。 だから思う存分面倒見てもらいなさい」


頷くとサリーさんに頭を下げてギルドを後にする。


まだ昼過ぎなので街から出て少し戦い方を少しでも良くする為にモンスターを狩ろう

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