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昇格試験 その1

自分のランクはGランク。

どうすればキャンディーの様にDランクまで上がるか考えていた。


「キャンディーさん、 ギルドのランク昇格試験ってどんな事をするのですか?」


キャンディーは顎に手を当て


「んー、 私は魔法発動の試し打ちで合格をもらったの。 でもこの前のパーティーの話しではギルドランクが高い人との戦闘判定だったって言ってた人もいるみたいだから試験は様々じゃないかしら?

ただ、 試験前に得意分野を聞かれたのよ。 それで試験内容が変わるかも知れないわね」


そうだよね… 得意分野が人それぞれだから内容も変わってくるよね。

昇格試験の時に詳しく聞いてみよう。

ってそうだ‼︎ 確かアイテムボックスに…あった。


「キャンディーさん、 明日ギルドの昇格試験受けてもいいですか?」


アイテムボックスから、 始まりの街のギルドから推薦状の手紙を取り出した。

アロハさんに持ち物全てと言われて、 ギルドカードと手紙も渡そうとしたら、 これだけは返された。 どうもギルド絡みの物まで回収したら、 ギルドから目を付けらてしまうと言われて、 渋々アイテムボックスに閉まったのだが、ずっと忘れていた。


「何その手紙?」


「始まりの街のギルドで、 昇格試験を進められたのですが、 旅立つ事を話したら推薦状を渡してくれたのです。 これを見せれば他のギルドでも昇格試験が受けられるってギルド員さんが言ってました」


「そうなんだぁ。 私もその事は知らなかったわ。 それじゃぁ明日昇格試験受けといた方がいいわね。 それじゃぁ明日は自由行動にしましょ」


そうして今日は解散となった。




目が覚めるともぅ外は人で賑わっていた。

昨日は昇格試験の事を考えていたら寝つきが悪かった。


「寝過ごしてしまった」


勢いよく布団から出ると今日は自由行動な事を思い出す。

身だしなみを整え1階に下りると、 食堂では人で賑わっていた。

もぅお昼頃なのだろうと予想して、 ギルドに向かう。


ナルティアの街並みをゆっくりと見る時間も無かったので辺りを見渡すと、 色んな屋台が出ていたり、 果物屋、 露天で商売してる人もいる。

平和な街並みを感じながら歩いているともぅギルドに到着してしまった。


初めて見た時はゆっくりと見れなかったギルドの建物も、 マジマジと見たら明らかに周りの建物よりも大きく、 存在感がある建物だ。

中に入ると、 昼な為か人が少なくすぐさま人がいないカウンターに行く。

カウンターの受付嬢………明らかに男性ですよね?っといった男性にお化粧を施したオカマ…じゃなかった。 受付嬢に推薦状の手紙を受け渡そうとすると


「初めてまして。 ボ・ウ・ヤ。 受付嬢のサリーよ。宜しくね」


サリーさんからウインクを貰った。

ハートマークが飛んでるのが見えたような気がする。

一瞬背筋がゾワゾワするもサリーさんに手紙と一緒にギルドカードを受け渡す。


「あらー。 ラブレターかしら♪。 ウフフフ。 冗談よ。 これはギルドから発行された手紙だよね? 中を拝見しても?」


頭を下げる。


「始まりの街のギルド長からじゃない。

ん?」


ギルド長? ギルド長にあった覚えはないんだけどなぁ。


「推薦状ね。 しかも坊や、 ギルド長に気に入られてるじゃない。 内容わね、 Eランクの試験をして欲しいとの事よ♪」


えっ? Fランク試験じゃないの?

なんでだろう。 まぁ受けれるなら有り難いしいっか。


「あのEランク試験ですか? その試験はいつ出来ますか?」


「んっとちょっと待ってね。 貴方の戦闘スタイルはどんなのかしら?」


顎に手を当て、 戦闘スタイルを考える。


「刀が主体で魔法も少々使う戦い方です」


「そうね、 だいたい30分ぐらい時間を貰えたら用意出来るわ。 そこら辺で待ってて貰えるかしら。 準備が出来たら呼びに行くけら」


辺りを見渡すと食事が出来るスペースもあり、 ご飯を食べながら待つ事にした。





「ボウヤ♪ 準備が出来たよ。 さぁこっちにおいで」


サリーさんにそんな事を言われたら危険な雰囲気しか感じられない。

後を追うと地下に行くみたいだ。

階段を下りるとそこには広い特訓場に出た。

周り伺うと、 角の方に弓術で使う標的や剣などの試し切りに使う巻き藁が置いてある。

部屋の中央には二人の男性が待ち構えていた。

左側が20代ぐらいで、短髪、ちょっとつり目のお兄さん。

右側が40代、スキンヘッドで眉毛がなく、 筋肉マッチョ。いかにもヤ◯ザみたいなおじ様。


サリーさんに二人の側まで連れて行かれる。


「今日の試験内容は戦闘試験。 用はラカ君の実力でEランクに上げても問題ないかを見る試験なの。 紹介するわね。 左側に立っている人がラカ君と戦ってもらうCランクのジョナさん。 右側の人がギルドマスターのシュナイザー様です」


ヤク◯みたいなおじ様がギルドマスター…

見た目で人は判断したらダメですね。

しかしお兄さんの方で少しは安心できました。

でもCランクの人と戦闘ですか…

絶対に敵わないよね。

まぁ勝たなくても自分の実力を出せば大丈夫なはず。


「本日、昇格試験を受けさせてもらうラカです。 先輩の胸を借りるつもりで頑張りますので宜しくお願いします」


背中を90度曲げお辞儀をする。


「礼儀正しい小僧じゃないか。 ジョナさん、 可愛がってやれ」


ヤ◯ザのおじ様…じゃなかった。 ギルドマスター何言ってるんですか。 手加減をしろよぐらい言って下さいよ。


「ラカ君。 緊張したら実力が出せないだろう。 リラックスリラックス」


ジョナさんが手を出してきたので握り返し、 握手をする。


「シュナイザー様。 ボウヤが怖がっちゃいましたよ。 優しい口調で言って上げてねッ♪」


「煩い。 お前に言われたら背筋から寒気がするわ。 まぁよいわい。 お前達、 武器をこの中から選べ」


出された物は、全て刃が潰された各武器。

その中から小太刀を選び、 ジョナさんは大剣を選んだ。


両者が武器を手に持ち、 距離とり、 戦闘態勢に入る。


「魔法抜きの勝負。 武器には特殊なスキルが付いてる為、死ぬ事はない。 思う存分振るがよい。 それでは……ファイト‼︎」


ギルドマスターから試合のゴングが鳴らされた。



「ちょっと、 魔法抜きなんて聞いてないよぉ」


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