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『遠い星の話』  作者: 五木史人
5章
99/251

19話 眠りとは言えない眠り。

『首都・記憶管理局』





カーン少佐は、記憶管理局の西側にある政府要人用の一室で目を覚ました。



「私がここにいると言う事は、誰かが私を破壊したと?」


「詳しい事は、後ほど担当の者にお聞きください」



抑揚のない声で記憶管理技士は言った。


そして、カーン少佐の記憶が、将校専用の機体への移送を確認すると、機体の拘束を解いた。


「多少、動きが鈍いな」


「移送当初は、鈍く感じることがありますが、三日ほど経てば、しっくり来るようになります」

技師は普段から言い慣れたであろう言葉を言った。



側に控えていたスミス中尉は、カーンの動きを確認すると抑揚のない声で告げた。



「少佐、評議会議長がお待ちです。」



「了解した」



カーン少佐とスミス中尉が、出て行き部屋は無音になった。


その無音の部屋で、記憶管理技師は、無音の部屋に少しでも音を満たそうと呟いた。



「死なない、死ねない、消えない、消せない、永遠に続く停滞。永遠に続く退屈・・・」


その呟きの後、部屋は再び無音になった。



記憶管理技士は、自らの電源を切り、眠りに着いた。


夢を見る事ない眠り。眠りとは言えない眠り。


それは自身が機械であることを、再確認してしまう行為と言える。





つづく



いつも読んで頂き、ありがとうございます。


毎週、日曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!

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