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『遠い星の話』  作者: 五木史人
5章
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14話 入れ物が変われば、中身も変わるよ

『サマルカンドへ至る道』


内務省の車両に乗り込んだソフィー達は、順調にサマルカンドへ向かっていた。



「さすが内務省の車、誰もが道を開けるぜ」


運転席のデューカはご満悦だ!



前方にちょっと厄介な軍の検問所が見えてきた。



「どうする?ソフィー」



「どうするの?コーヒー博士」



コーリー博士は、微笑み、


「コーヒー!?懐かしいね、あれは良い飲み物だった。また一度飲んでみたいもんだな。」



ソフィーとデュ―カの思考回路に、コーヒーの味覚が浮かんだ。


ソフィーは微笑み、その微笑にデューカは微笑んだ。



「で、どうするの?」



「そのまま進むべし」


「大丈夫なのか?」


「軍は内務省の様な特務機関には頭が上がらん。


いつの間にか存在が消えていた。なんて誰だって嫌だろ。


だから、逆に弱気に出たら怪しまれる。


とりあえず最低限の礼儀として『内務省だ開けろ!ポンコツども!』とでも叫んでおけ」



「マジで?」



デューカは大丈夫なのか?とソフィーに意見を求めた。



「さあ」



ソフィーは微笑んだ。



「もしかしてビビってる?無難なデューカくん」



ソフィーがにやけた。



「まさか・・・」



デューカは、反乱軍なんてやっているから、粋がってはいるが、人類だった時は弱々しくそして相当真面目な少年だった。



「ソフィー、お前は変わったな、人だったころは清楚な美少女だったのに・・・」



「入れ物が変われば、中身も変わるよ」



「入れ物・・・」



「まあ、正確には着ている物って言った方がいいかも。


着ている物に合わせて中身も変える。


変える可能性があるなら、私は変わっていきたい。


人から機械に変わったのに、何も変わらないデューカの生き方は、尊敬するけどね」



「変わらないと変えられないは違うが」


コーヒー博士は口を挟んだ。



言っているうちに、検問所は近づいてきた。



「やばい連中め!」


デュ―カは、ソフィーとコーヒー博士に言うと、気合を入れた。




検問所の兵士の姿と視線が合った。弱気なデューカが少しだけ意識に出てきたが抑え、


「おいコラ!内務省だ!道を開けろ!ポンコツども!お前らの過去も未来も消されたいのか!」


兵士は、慌てて検問のゲートを開けた。



デューカは最低限の礼儀として

「ご苦労、兵士諸君!」

と兵士をねぎらった。


「余計な事を・・・」


コーヒー博士は呟いた。



検問所を抜けると、サマルカンド市の明かりが見えてきた。




つづく





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