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『遠い星の話』  作者: 五木史人
5章
87/251

7話 手に入れた快楽だ・・・

『サマルカンド郊外・地下鉄遺跡』


ソフィーが見つめると参謀の青いレンズは、青い翡翠の様に輝いた。



「我々の行き先として最も有力である、サマルカンドには、対アローン兵部隊が配置されている事は、確実です。


民兵の内通者の事も考え合わせますと、サマルカンド突入は無謀な賭けと言わざる得ません。」



「対アローン兵部隊?」


「数こそ少ないのですが、我々アローン兵に対してだけ、絶大な力を持つ部隊です」


「議長は、アローン兵の反逆を想定していたって事?」


「議長は、あらゆるアンドロイドの反逆を想定しています。

5000年間、あらゆる反逆を想定し、シュミレーションを繰り返してきました。」



参謀の言葉にデューカは、にやりと笑うと、


「そう言えばここにも、5000年間、革命をシュミレーションし続けてきた、アンドロイドがここにもいたな」


デューカの言葉にコーリーは、にやりと笑うと、


「野心のある者は誰もが自分の利益の為に、5000年間、思考回路の中でシュミレーションし続けた。

しかし、誰も事を起こすこともなく、ただただ時間が流れた。

それを無益と思うのは、お前の自由だが、私は人工知能へ意識を移植してしまった者の定めだと思うようになった。限界のある物質世界での事象より、無限の可能性を実現できる思考回路内での思考に、至高の快楽を感じるようになる。肉体的な快楽を失った結果、手に入れた快楽だ・・・」



人間時代の記憶を持たない参謀は、コーリーをじっと見つめた。



「説明を進めて・・。」


ソフィーは言葉に参謀は説明を再開した。


「内務省の装甲騎兵をサマルカンド郊外へ、誘き出すべく罠を仕掛けるのが最善の策かと考えます。」


「罠を仕掛ける?内務省が欲しがるような餌があるの?」


「もちろん、用意しております。」



『サマルカンド郊外・小高い丘』



デューカは日が沈みつつあるオレンジ色の空を、丘の上で寝転びながら眺めていた。


つづく


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