表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『遠い星の話』  作者: 五木史人
5章
82/251

2話 単純かつ、想像力の欠片も無い発想


『西都・サマルカンド』


ハミルと繋がった扇動者に煽られた民衆は、装甲騎兵に押され、


鉱物資源企業団公社ビル前の広場に向かって敗走を始めた。



民衆の動きは、明らかに何者かに誘導されていた。


その何者が何者なのか、考えるまでもない。



鉱物資源企業団公社ビルの最上階総裁室いた総裁は、


恐怖に震え、



「ビルのゲートを閉めろ!デモ隊をビルの中に入れるな!」



と警備室に命じた。

「しかし、あの中にはわが社の社員も・・・。」


「急いで閉めろ。」


総裁の強い命令には逆らえなかった。




警備員は急いでビルのドアの施錠をしたが、


すぐに何者かに叩き壊され、


デモ隊のビルへの進入を許してしまった。


デモ隊に続き、それを追う装甲騎兵、


そして、ハミル率いる精鋭α部隊が、ビル内へ進入した。




「至急、民兵を集めろ!アレム神父を奴らに渡してはならん。


ソフィーはどうした?まだ来ないのか?


おかしいだろう!このデモは評議会に対するデモだぞ!


なぜこちらに来る?おかしいだろう!」

総裁の喚き散らす声が総裁室に響いた。



ちなみに総裁の今日の機体は、


全身を木で覆った鼻の長い人形、ピノキオ。


動き回るその姿は、とてもメルヘンだった。




その間、ハミルとα部隊は、


突然止まったエレベーターのドアをこじ開けると、


最上階総裁室へと駆け上っていた。




『地下鉄線路跡・坑道』


ソフィーとデューカ、


そして、銀色のアンドロイドとアローン兵1万2千機は、


地下鉄坑道をサマルカンドへ向けて進んでいた。



「デューカ、さっきから何が不満なの?」



デューカは銀髪を一瞥した。

「こいつだよ。こいつ信じていいのか?


大体、俺はこいつの名前すら知らない。」



「俺は名乗る程の者じゃない。」

銀髪は即答した。



「色々、事情があるのよ。」

ソフィーはデューカをなだめた。



「名乗りたくないなら俺が勝手に名づけてやる・・・・。


お前は銀髪だから銀次だ。」



「単純かつ、想像力の欠片も無い発想。」

銀髪のアンドロイドは、地下鉄坑道の中で、呟いた。


ソフィーがちょっと笑ったので、銀髪は、さらに続けた



「一体お前の思考回路は、この5000年間何をしていたんだ?


1つの文明が始まり、終わりを告げるだけの時間だぞ。


その間、俺の髪の色が何回変わったと思ってるんだ?」



「5000年の時間の流れを説明するのに髪の色って・・・


お前の5000年の証って、髪の色・・なのか?」



「否定はしない」



「否定しろよ!5000年だぞ!」





『宇宙ステーション・アントン』


宇宙ステーション・アントン管理官ケイに、ヤーシャは報告した。



「地上から連絡で、宇宙ステーション内に滞在中の、


鉱物資源企業団公社のアンドロイドを、


拘束せよとの命令通信が届きました。」


「拘束?」


「公社自体に反乱罪の疑いが掛けられたようです。」


「反乱罪?」



管理官のケイは、青く輝く星を見下ろした。


ケイの思考回路内では、

道化のアバタ―が【厄介な命令が来たもんだ】

と嘆いていた。



宇宙ステーション内で公社の連中は、


重要な技術者の集まり。


色々面倒な事になりそうだ・・





つづく


いつも読んで頂き、ありがとうございます。

毎週、日曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!

【小説家になろう 勝手にランキング】に参加中。


 ↓クリックしてね♪\(^ ^)/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ