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『遠い星の話』  作者: 五木史人
1章 黄昏の始まり
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8話 人類からのアクセス

静まり返った天文台ドームの内部では、


巨大な望遠鏡が天空を眺めていた。




アカデミックな雰囲気に包まれた天文台内に、


反社会的な雰囲気は感じられなかった。





「神父、こちらへ」


女性型の受付アンドロイドが、


管制室へと急かした。




管制室では、この惑星が属する、


太陽系の映像が流されていた。



「美しい・・・。」


アレムは呟いた。




すでにこの惑星の文明は、


太陽系全域を活動の場としていた。






コーリー博士の表情から、出迎えた時の興奮は消え、


硬めな学者の表情が現れた。




「我々は、あの人類に似た者たちが,


この惑星に到達する過程を、


この場所でずっと監視しておりました。


まあ、それはともかく、とりあえずお座りください。」





アレム神父が、椅子に座るとコーリー博士は、


管制官の1人に合図した。

すると、最も大きなモニター画面いっぱいに、


4種類の記号がランダムに羅列されたデータが現れた。





「これが、我々の心の異変です。」


「我々の心の異変?」


「これは我々の意識の最深部、


我々が機械の身体になる前の5千年前、


人類として生きていたときの記憶を表す


古いプログラム言語です。」





アレム神父は

「これが、人類だった頃の記憶プログラム・・・。」

と言ってじっとその文字の羅列を見つめた。





コーリー博士は

「あの、人類に似た者たちが、


我々の太陽系に入った直後、


意識の最深部に属するこのプログラム群から、


意識の表層・・・すなわち自意識に対するアクセスが、


大量かつ急速に行なわれ始めました。




その大量のアクセスが、


あなたに人類だった頃の記憶を呼び起こさせた。


そして、あの人類に似た者達がこの惑星に降り立った時、


あなたは『我らの創造主の帰還だ。』と泣き叫び、


我を忘れて興奮した。」


と言った。







つづく


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