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『遠い星の話』  作者: 五木史人
4章
76/251

16話 まだ生きてるみたい。なんかラッキーだね。

『首都郊外・地下鉄遺跡』



デューカは、両腕をアローン兵に捕まられながら連行された。



恐怖の極みを超えたデューカの思考回路上には、

観た事が無い映像が流れていた。


地下鉄遺跡の階段を降りると、

整然と敷かれた石畳と天井から柔らかく差し込む駅のホールには、

恐るべきアローン兵が、ずらりと並んでいた。



デューカの機体は、氷像の様に凍りついた。


黒い装甲を纏ったアローン兵の奥には、

頭部は特殊機械兵の兜をかぶってはいるが、


スレンダーなアンドロイドが、

遠い昔人類が使っていたであろう、

オープンカフェのテーブルの上に肘を立て、

親指を口元にそっと当てて、デューカの様子を眺めていた。


「ソフィー?」


デューカとソフィーがまだ人だった頃、

5000年も前の話になるが、

待ち合わせにいつも遅れてくるデューカを、

ソフィーは街のオープンカフェでテーブルの上に肘を立て、

親指を口元にそっと当てて待っていた。


デューカの心に5000年の時を超えて、

その時の想いが蘇ってきた。


「ソフィー!」

デューカが叫ぶと同時に、

デューカを掴んでいたアローン兵の拘束が解かれ、

デューカは、そのアンドロイドの元へ駆け寄った。


「デューカくん、遅い・・・いつもの事だけど。」


デューカが知っているソフィーの声そのもので言った。


デューカは、頬を緩めた。


「ごめん、5000年経ったって治ってなかったらしいよ」


「だね」


「ソフィー、生きてたんだ。」


「うん、まだ生きてるみたい。なんかラッキーだね」





『宇宙ステーション・アントン』


宇宙ステーション・アントンの管理官ケイは、

空軍と人類を乗せた宇宙船の一連のいざこざを、

自分の部屋の窓から眺めていた。


人類を乗せた宇宙船は、

宇宙ステーション・アントンのすぐ側を、

慣性でゆっくりと通過していた。



「どうする気?」


人類の乗せた宇宙船の姿に、ケイの心の奥が締め付けられた。

この感覚、5000年以上、感じたことが無い感覚だった。


つづく



いつも読んで頂き、ありがとうございます。

毎週、日曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!



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