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『遠い星の話』  作者: 五木史人
1章 黄昏の始まり
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6話 一寸先は闇、一里先も闇。

鉱石運搬用の大型トラックだった。

辺りには鉱石の破片が転がっており、


事故現場の周辺には徐々に野次馬が集まり始めていた。




銀色の髪の大型作業員は、

「問題が無ければ、こちらへ」

と神父を鉱石運搬用の大型トラックに乗るように誘った。




「問題が無ければ・・だと?」




この状況・・・




問題だらけなのだが・・・。




野次馬達の好奇な目、


破壊された宗教検察官とその車、


反乱罪の罪で連行されかけた神父、


よく見ると光学ステレス加工された大型トラック。


もちろん違法改造だろう。




そして、違法にチューンナップされた機体の、


銀色の髪の大型作業員。





現状から考えて、最悪・・・極刑。


人だった頃からの記憶を消され、完全な無に帰する。





「余計な事をしてくれた。


反政府組織か何かかは知らないが・・・。」

と神父は、銀色の髪をした大型作業員に愚痴った。




「しかし・・・しかし・・・・やれやれ」


一寸先は闇どころか、一里先も闇に思えるこの状況。




闇・・・・無に帰するよりましか。




意外に早い決断に、神父は自分でも驚いた。





神父は、好奇と恐れと侮蔑の入り混じった、


視線を送り続ける野次馬をチラリと睨み、


鉱石運搬用の大型トラックに乗り込んだ。





神父を乗せると鉱石運搬用の大型トラックは、


検察官の車を「グシャ」と軽く蹴散らして、走り出した。





神父は、車内

「こんな事して君は大丈夫なのか?」




「善良な市民として自覚はあるのか?」




「信仰心はあるのか?」




「その違法にチューンナップされた機体は、安全なのか?」




「銀髪は君の趣味か?」




「大体君は何者だ?」




「まさか、反政府組織サインの者か?」

と続けざまに質問した。






銀色の髪の大型作業員は、

「神父様は、反政府組織サインが本当に存在するとでも?」

と言って笑った。





「あんなもの、政府のえらいさんが考え出した、虚構ですよ、虚構。」

「では君は何者だ?」



「俺は鉱石運搬する真面目なトラック運転手ちゃんですよ。」



自称・真面目なトラック運転手ちゃんは、


運転席に備えられたショットガンを、


撫でながら言った。







つづく


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