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『遠い星の話』  作者: 五木史人
3章
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18話 胸が締め付けられる想い

ソフィーは1万2千機の特殊機械兵を想像した。


特殊機械兵、通称・アローン兵、


最も危険で非情な任務に真っ先に投入される機械兵。



1000年前、太陽系外から襲来した侵略者を、


太陽系圏外との境界線ヘリオポーズで掃討したのは、


アローン兵たちだった。



恐怖の対象であり、英雄でもある。



素人の集団に過ぎなかった、


反乱分子とは訳が違う。



サムエルの戦闘知識にしたって、


サバイバルオタクのレベルを超えてはいなかった。



「ソフィー様、今後のご命令を」



ソフィーは像の様に微動だにしない、


100機の特殊機械兵を見渡した。そして、



「私は・・・この星に降り立った、人類に似た生命体に会いたい。


何故だか解らないけど、あの者たちの事を考えるだけで、


胸が締め付けられるように、苦しくなる。

この想いは、私と伴に戦った仲間達も同じ気持ちだったはず。」




参謀は、彼が参謀兵で有る事を示す青い視野レンズで、


ソフィーを見つめたまま沈黙していた。



「『胸が締め付けられるように、苦しくなる』


の意味を考えているのかもしれない。」

と、ソフィーは思った。


人としての記憶を引き継いでいるアンドロイドたちは、


『胸が締め付けられる想い』を、仮想的なものとは言え、感じることが出来た。



5000年前のアンドロイドの開発者は、


人類無き後もこの『胸を締め付けられる想い』を感触として、


残しておきたかったのかも知れない。


人の記憶を引き継がない機械の参謀は、


『胸が締め付けられるようで・・・』の部分を理解することを止め、



「了解しました。」

とだけ答えた。


『胸を締め付けられる想い』

それを理解出来る者と、出来ない者の差が・・・


ソフィーはその先を考えるのを止めた。



つづく

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