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『遠い星の話』  作者: 五木史人
3章
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14話 自我意識の塊

自然光が降り注ぐ地下鉄構内で、


仮設のベットに横たわったソフィーを、


4機のアローン工兵が分担して応急処置を施し始めた。


「その凶暴さゆえに、民衆に恐れられたアローン兵が、


寄って集って私の修理を施してるなんて、かなり怖い。」



ソフィーの言葉に、参謀は

「はい、その様です。」

と相槌を打った。



ソフィーは少し「苛っ!」とした。



プログラム通りに反応しているに過ぎない相槌。


違和感を感じた所で、自分とは程度の差なのだが。



ソフィーは、今後の事を検討するために、


眠る様に自らの思考回路に意識を沈めた。



「特殊機械兵、通称アローン兵・・・


高性能∧強力すぎる為に、反乱を恐れた政府上層部が、


アローン兵への人工知能搭載を禁止したはず。



・・・にも関わらずアローンは政府を裏切って私の味方に付いた。



強く制限され、自ら判断を下す意思を持たないはずなのに・・・

アローン自身の意思が働いたのか?


それとも私の知らない誰かの意思?


確か、最初会った時、



『我々はあなたの意思を愛する。


我々はあなたの記憶を愛する。


我々はあなた伴に在りたい。』



とアローンには似合わない事を言ってた・・・これは、どういう事?」


ソフィーは、側に控えている参謀兵の思考回路を探った。

参謀兵の思考回路の中には、

簡単な言語マニュアル、戦闘マニュアル、敵味方の識別信号表、

惑星全域の地理地形のデータ等が存在していた。

その中に、『自我意識の塊』は確認できなかった。


「『自我意識の塊』が無い以上、


アローンの意思とは、考えにくい。


こいつらの主はどこかにいるはずだ。


この惑星がもしくは惑星外か・・・・。」


工兵は手際よくソフィーの破壊された視野カメラを取り除くと、


アローン兵が標準装備している眼球の無いカメラを、


ソフィーの頭部に備え付けた。


数分後、ソフィーは久しぶりに自らの目で、周囲を見渡した。



「やっぱり、自分の目で見る景色は素晴らしい。」


ソフィーは参謀兵の


「はい、その様です。」と言う返答を期待したが、


参謀兵は何も答えなった。



「さっきの『苛っ』としたのを感じて今回は言うのを止めた?


そこはデューカみたいに、馬鹿騒ぎして、


絶賛喜んでくれるところでしょう!」







つづく

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