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『遠い星の話』  作者: 五木史人
1章 黄昏の始まり
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5話 反政府組織・・・

連行される車の中で、神父は聞いた。


「反乱罪・・・私が反政府組織サインと、繋がりがあると言いたいわけだろ。

存在も疑わしい反政府組織・・・

君たちはそんな組織が本当に存在すると思っているのか?」


宗教検察官は、失笑した。

「『反政府組織サインが本当に存在すると思っているのか?』

反乱罪に問われた者の共通の台詞。

我々確かな証拠を元に動いている。

あなたの様な素人にどうこう言われる筋合いは無い」


「共通の台詞なら本当に無いのでは・・・私ならそう判断を下します」


「口裏を合わせている可能性もある」


「そんな稚拙な口裏の合わせをする組織など・・・」

と言いかけたが、宗教検察官の冷めた表情を一瞥した後、話題を変えた


「弁護士をつけてくれるんでしょうね」


「もちろん」


神父は深いため息をついて、窓の外を眺めた。

直後、車に強い衝撃が走り、機械が砕ける音がした。


車の前方部分は大破し、運転手の壊れた手が微かに震えているのが見えた。

横に座っていた宗教検察官の頭部は完全に砕け散っていた。


歪んだ後部座席の扉が強引に開かれて、銀髪の大型アンドロイドが


「アラーム神父ですね」


アラーム!


「私はアレムだ!」


アラーム!人類だった時も、その後もそんな間違いをされた事はない!


「えーとアラーム神父ではない?」


銀髪のアンドロイドは真剣な表情で聞き返した。

少なくともこの惑星で、アラーム神父なんて聞いた事がない。


「私はアレムだ!」


「すいません、間違いました」


銀髪のアンドロイドは、立ち去ろうとした。


待て!待て!待て!

この状況で「すいません、間違いました」で済むと思ってるのか?

この銀髪アンドロイドは!

宗教検察官の思考回路は、砕けてんだぞ!

もう言い訳は出来ないレベルの反乱罪だぞ!これは!


何者かは知らないが、この銀髪のアンドロイドは、【アレム神父】を連れ去ろうとしているはずだ。


大破した護送車と「グシャッ」と破壊された宗教検察官のアンドロイド。

こんなところに取り残されて、どうしろと?


「ちょっと待て!」


「はい?まだ何か?」


この状況でこの台詞、ポンコツか?このアンドロイドは


「君の言っている、アラーム神父とアレム神父は同一体だ。

私はアレムでありアラームでもある」


何を言っているのだ?私は。


ポンコツは、何か納得したらしく


「手荒なまねをしてすいません。

一緒に来ていただけますか?」


と手を差し出した。


>こいつが反政府組織サインか?


アレム神父の思考回路に文字が流れた。



つづく

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