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『遠い星の話』  作者: 五木史人
3章
42/251

2話 めっちゃ善良なアンドロイドは私で~す


「空軍め!勝手なことを!


反乱分子の首謀者を消してしまっては、


奴らの全貌が掴めんではないか!」



カーン少佐は、司令部塹壕で起こった爆撃の煙を、


見ながら怒鳴った。




「一体誰の命令・・・・・」



! 



・・・・もし、レーゲン議長の命令なら、


これ以上の発言は控えた方が良いだろう。


政治将校に聴かれでもしたら、


消去されかねない。



カーンは、何気に周囲を見渡した。


政治将校の姿は見えなかった。



カーンは安堵した。


敵は前にだけいる訳ではない。






  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




デューカは暗闇の中、光が降り注ぐ光景を、


見つめていた。


「死後の世界?・・・俺達機械も死後の世界があったのか?」

と思いながら、その光の輝きを眺めていると、


光の中で何かが動いた。


「天使?俺、天国に行けるの?


善良かと言うと、微妙な生き方をしてきたけど・・・


でも、そう言う事なら絶賛歓迎!!!


イエーイ天使さま~


めっちゃ善良なアンドロイドは私で~す。


天使さま~、わたくしデューカは、


ひたすら善行を心掛けて生きて参りました。


天使さまに、お会いできて光栄です」



しかし、暗闇の中に銃声が響き渡った。


「違う!敵か!俺は生きていたって訳か・・。」

素早く身を翻そうとしたが、身体のあまりのぎこちなさに、


デューカは慌てた。



必死でどうにか側にあった柱らしきものに身を隠した。


柱を見ると、乳白色をしていた。

「鍾乳洞か」

司令部塹壕の下には鍾乳洞が広がっており、


司令部直撃の爆撃により、地表が崩れ落ちたらしい。



「地下の鍾乳洞を、知らずに爆撃したのか?


それとも知ってて?まあ良い・・・」



デューカは微笑み、生の実感を感じた。


そして、自らの悪運に感謝した。

さらに生きているであろう仲間たちの、悪運にも・・・


「ソフィーは?」

デューカは薄暗い鍾乳洞に目を凝らした。


薄暗い暗闇の中、地下水を跳ねながら走り回る機械の音が、


複数聞こえた。



「ソフィーも生きているかも」



鍾乳洞の天井に開けられた穴から、


重々しい装甲騎兵が降下してきた。



デューカは機銃を取ろうとしたが、


鉄の破片が突き刺さった右手は、機銃を握ることは出来なかった。


仕方なくデューカは、鍾乳洞の奥へ逃走した。



つづく


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