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『遠い星の話』  作者: 五木史人
3章
41/251

1話 恥ずかしい記憶の数々

「アイン?・・・・サムエルがどうしたって?」



「ソフィー・・・・サムエルが塹壕を出て、


その隙を突いて装甲騎兵が襲撃。


もう、南側塹壕は持ちこたえそうにない・・・・」


無線は、急に途切れた。



ソフィーは司令部の塹壕にいるアンドロイドに向かって、叫んだ

「南側塹壕が突破された!総員、南側からの襲撃に備えろ!」


「サムエルが守る南側塹壕が突破された?サムエルはどうした?」


「解らない。とにかく今は敵襲に備えろ!」




ソフィーは、西側塹壕と東側塹壕とも連絡を取った。



「ソフィー、装甲騎兵だ。南側から装甲騎兵が強襲!」


「敵襲、現在、交戦中!」



無線から叫び声が聞こえた。



「敵襲!来るぞ!」



司令部塹壕のアンドロイドが叫んだ。



南側塹壕を突破した数百機の装甲騎兵の影が、森の中を蠢いた。



司令部塹壕を守る25機のアンドロイド達は、


塹壕からその影に機銃の照準を合わせた。



0、1秒にも満たない時間の静寂の後、


ソフィー達がいる司令部塹壕に対する、突撃が開始された。



司令部塹壕から、装甲騎兵めがけて、一斉に銃撃が浴びせられた。


デューカは重機関銃の弾幕で応戦した。



「今日は、弾幕の調子が良い」



まるで敵の放った弾丸が、


デューカの弾丸に吸い寄せられるように、


ぶつかりあってる様な気がした。



ぶつかりあって砕けた鋼鉄製の弾丸たちは、


粉々になって地面に帰って行く。



デューカの理想とする弾幕だ。



デューカの弾幕に守られた味方のアンドロイドも応戦した。


しかし分厚い装甲に覆われた装甲騎兵は、


数発程度銃弾を受けても、物ともせず突撃を駆けて来た。


装甲が重い分、動きは鈍かった。



「反乱軍首領ソフィーの記憶回路は、無傷で手に入れろ!」


敵の指揮官が叫んでいた。




ソフィーは、ふと恥ずかしい記憶の数々を思い出した。



「いやダメ!私の記憶は、絶対に渡せない・・・」



ソフィーは、装甲騎兵が塹壕の間近に近づいた時、


塹壕前に埋められた爆破装置を一気に爆破させた。

塹壕に取付こうとした、装甲騎兵の数十10機の機体が粉々に吹き飛んだ。



司令部塹壕に籠もるアンドロイドたちに歓声が上がった。



爆破で混乱に陥った装甲騎兵に、


デューカ達は機銃掃射を浴びせ、沈黙させた。


塹壕の前には砕け散った機械の破片が転がっていた。


目の前の当面の敵を沈黙させたアンドロイドたちは、


ほっと安堵の表情でお互いを見合った。



デューカは、ソフィーと視線を合した。


ふと空を見上げると遥か上空を灰色の航空機が飛んでいた。


そこから、ピカピカに光る物が司令塹壕に直線的に落ちてくるのを、


デューカは見た。



「装甲騎兵諸共かよ・・・・」




「誘導弾だ!伏せろ!」



数秒後、敵の装甲騎兵諸共、司令部塹壕は崩壊した。




つづく


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