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『遠い星の話』  作者: 五木史人
1章 黄昏の始まり
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3話 もたらされた潤い

優しく暖かい生命体と接するうちに、機械たちの間に失望感が徐々に募った。



人類に似た生命体は、機械たちが思い描いた、偉大なる創造主どころか、



文明的な洗練さの欠片も無い、未開な生物に過ぎなかった。



人類に似た生命体は、異空間操作を誤り、

遥か彼方の銀河系から弾き飛ばされ、この惑星に漂着した。



羨望が失望、それが怒りに変わるにはそんなに時間は掛からなかった。



「こんな連中さっさと追い出してしまえ!」



惑星評議会の議員達は口々に叫んだ。




機械兵達に取り囲また人類に似た生命体は、


宇宙船中に閉じ込められ評議会の行方を不安げに見守った。



惑星評議会議長に、発言を求められた神父は苦悩した。



人類に似た生命体を、「創造主だ!」と煽ったのは神父自身だったからだ。



その煽りが無ければ、民衆や、

評議会議員に落胆と怒りをもたらすことは無かったはずだ。



評議会の神父の控え室にあるディスプレイには、

人類に似た生命体の姿が映し出されていた。



未開な野蛮人とは言え、人類に似た生命体の視線は、

神父の心に潤いをもたらした。



潤い・・・神父の持つ、聖書の古い外伝に記されていた、

創造主人類が使っていたと言う古い言葉だ。



「あの者たちが、我が創造主では無いにせよ。

停滞と軋みに苦しむ我らに、あの者たちはその潤いをもたらすかも知れない。

あの者たちを、追い出すべきではない。」





つづく


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