8話 美しい生き様、そして死に様・・・。
銀髪のアンドロイドが運転する、鉱物資源運搬用のトラックは、
静かな森を駆け抜けるように走っていた。
「正義の名の下に、正義を実行する。甘美な言葉だとは思いませんか?」
とコーリーはアレムに言った。
アレムは「何を言うか?」と言う目でコーリーを見ただけで、何も答えなかった。
「ほとんどのまともな民衆は、
正義の名の下に、正義を実行したがっています。
しかし、彼らにはその力も勇気も、
そして、正義と言う名も彼らには与えられてはいません。
そんな彼らを動かすなんて事は、簡単な事でした。
私は彼らに不足している、
力と正義、簡単に言うと武器と創造主人類という名の正義を与えた。
それらを手に入れた彼らは、日常ではありえない、
破壊行為を何のためらいも無くこなしてくれました。
その表情はまるで自分達に酔いしれているかの様でした。
見ものでしたよ。」
コーリーは満足げに笑った。
そのコーリーを記憶装置の奥で失笑しながらアレムは、
「あなたは何をしようとしているのですか?」
「私はあなたと同じ、あの人類に似た生命体を、
この星から追放させたくないだけです。」
とまじめな表情で答えた。
しかし、アレムにはまじめに答えているようには見えなかった。
アレムの視線を無視してコーリーは続けた
「発電所が爆破された以上、電力を使っての交渉が出来なくなりました。
今は、新たな策を考えましょう。」
「あの者達はどうするのです?。」
「あの者達・・・ですか。
それについても新たな策を考えましょう。」
カラーライズで、
突如テロリストになってしまった反政府組織サインの幹部たちは、
戸惑い、そして途方にくれていた。
「俺達は正しかったのか?」
そんな幹部たちの思考とは違い、
ソフィーだけは自身の行為に酔いしれていた。
「美しい生き様、そして死に様・・・。」
つづく




