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『遠い星の話』  作者: 五木史人
13章 ビフィズス菌の思惑
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6話 ビフィズス菌生命体からの贈り物

格納庫に投げ込まれたかのように、白い何かが飛び込んできた。

一瞬で格納庫が、その白い物でいっぱいになってしまった。


「「何?何?何?」」

あゆみと錬は楽しげに大騒ぎだ。


「雪?」

「アイスクリーム?」

「チーズ?」

「ヨーグルトじゃねぇ」


宇宙船の格納庫は、濃厚な乳製品の香りに満たされた。


「人類の諸君。我々ビフィズス菌生命体からの贈り物だ。受け取れ」

「人類だけか?機械猫の俺のも何かくれよ!」

あゆみは迫ったが、知佳は一瞥して、

「機械は・・・好かぬ」

「えっ!こんな可愛いなりした機関猫が好かぬだって!お前らどんなセンスしてんねん!なあ!」

あゆみは参謀に同意を求めた。

参謀は少しだけ首をかしげただけで無言だった。

「あのさ~こう言う時は怒るもんだぜ!」

「我々は、嫌われるのには、慣れている」

「そうだけれども」

「それにビフィズス菌は、大腸を持たない機械の体内には住むことが出来ない以上、仕方ない」



沙羅は、積もった雪の様なそれに触れて見た。

触り心地はチーズに近い。

見るからに美味しそうだ。


「これは?」

沙羅は、ビフィズス菌生命体が憑依した知佳に聞いた。

「諸君の食料だよ。困っていると思ってね」


あゆみは、

「沙羅、待って」

「ん?」

「ビフィズス菌さんよ~このチーズみたいな食料の中には、ビフィズス菌が入っていると想定して良いのか?」

「想定して貰って構いませんよ」


あゆみは沙羅に視線を送った後、

「要するにこいつらの体内に、あんたらが侵入するって事だろ?」

「侵入?言い方は兎も角、そうなりますね」

「・・・」

「あっそう言う事でしたか、まあそうですよね。我々は出会ったばかりな訳ですから、体内に取り込むのは躊躇しますよね。でも気にしないで下さい。我々は至って、普通のビフィズス菌ですから。」


沙羅は空を飛ぶ龍の様なビフィズス菌生命体を見た。



つづく

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