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『遠い星の話』  作者: 五木史人
13章 ビフィズス菌の思惑
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4話 少年、この恩を忘れるなよ

「場所か・・・」


知佳は呟くと、外のビフィズス菌生命体を見つめた。




すると雲のようなビフィズス菌生命体の身体の中に、イルミネーションのストリングライトの様に、明るく点灯した。




「あの輝きは、脳の神経細胞の様なものか?」


参謀の問いに知佳は


「まあ、そんなところだ」




知佳からあどけなさが消え、思慮深い表情が現れた。


沙羅も錬も見た事がない表情だ。




「知佳ちゃん大丈夫かな?」


錬は沙羅の横顔に聞いた。




沙羅が錬の方を見て目が合ったので、錬はドキッとした。


思っていた以上に、沙羅との距離が近かったのだ。


錬と違い平常心のままの沙羅は、


「ビフィズス菌は善玉菌だから、きっと大丈夫だよ」


と。錬はちょっと間を置いて、


「そうだよね~」




その様子にあゆみは、


「お~い少年~顔赤いぜ」


と素早く茶化した。




知佳の方は、思慮深い表情のまま、動きを止めた。


1時間、2時間と時間が過ぎて行った。




宇宙船の外は、夜が訪れ、暗闇に包まれた。


宇宙船の外では、遠くにいるビフィズス菌生命体までもが体内が、点灯し始めた。




「幻想的だね」


沙羅の言葉に錬は


「そうだね」


と。




その様子にあゆみは、素早く錬に跳び蹴りを浴びせた。




結果、錬は沙羅にぶつかり、沙羅の優しい身体と香りに触れた。


「機械猫!何するんだよ!」


「錬、何?」


「機械猫が行き成り飛び蹴りしかけてきだんだ!」


「猫ちゃん、暴力はダメだよ」


「にゃ」


とだけあゆみは答えたが、錬には視線を送り、錬は少しだけにやけ、あゆみは再び飛び蹴りを浴びせた。




「猫ちゃん、暴力はダメだって!」


「にゃ~」




その後、あゆみは錬の耳元で、


「少年、この恩を忘れるなよ」


「御意」


と錬は答えるしかなかったと言う。






つづく

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