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『遠い星の話』  作者: 五木史人
13章 ビフィズス菌の思惑
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2話 この惑星の主として・・・

「そりゃね、サイン内には『いずれ人類が帰還する!』って予言はあったさ。


でもさ~そんな予言本気にする奴なんて、あんましいないし、いつ帰還するかも解らないしさ、なあ」




あゆみはバイカルに同意を求め、バイカルは頷いた。




「わたしたちが帰還する予言?」


沙羅の問いに、あゆみはにやりとした。


そして、あゆみとバイカルは、カスタネットを取り出しならし始めた。




猫は自由。


なぜこの間でカスタネットをするのか不明だったが、沙羅は待った。


それはまるで動く玩具の人形のように単調な動きだった。




「何がしたいんだろう?」と沙羅と錬と参謀兵は視線を交わしたが、待つことで同意した。




意外だったのが、ビフィズス菌生命体が憑依した知佳が、そのカスタネットを凝視していた事だ。




機械猫たちは満足したのか、あゆみは動きを止め、


「正確な情報ではないが、サイン♪コサイン♪タンジェント♪は、5000年前の3姉妹のコードネームで、その1人がAIプログラマーだったと言われている」




「1人?人類って事?」


「コードネーム・サインは、3姉妹の長女だと言われている。


そして最初のエージェントは、彼女の猫の玩具だったらしい。さらに次女のコードネーム・コサインが、この惑星ヌードルで何かをしていたらしい」




「えっ?」


ビフィズス菌生命体が憑依している知佳は驚き、すかさずあゆみが


「あら~ビフィズス菌生命体とやら~もしかして知らなかった?」


「それは初めて聞いたな・・・これだから人類は面白い」


「当時の人類文明は、あらゆる分野で今より優れていた。個人的な意見だが、あんたらビフィズス菌生命体を創世したのは、コードネーム・コサインだと思う」




あゆみの言葉に、知佳はじっと動きを止め、考え込んだ。


「そんな事はないはず・・・我々は太古の昔から存在していたはずだ・・」




「ある惑星の生態系を他の惑星の知的生命体が関与することは、良くあることだぜ」


「そんな事はないはず・・・我々は太古の昔からこの惑星の主として・・・」


「ちなみにコードネーム・コサインは、カスタネットが好きだった」




宇宙船の外を飛ぶ龍のようなビフィズス菌生命体が、まるで狼狽えている様に飛行していた。




「そんなに狼狽するなよ。楽しく行こうぜ」


あゆみとバイカルだけが、陽気な顔をして、カスタネットを鳴らした。






つづく

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