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『遠い星の話』  作者: 五木史人
13章 ビフィズス菌の思惑
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1話 受け入れてくれる仕組み

「さあ見てごらん、雪景色だよ」


知佳に言われ、人類と機械たちは外を眺めた。




真っ白なビフィズス菌生命体が、雲の様に薄くなり、真っ白な物質を地上に放出した。


それはまるで雪の様に地上に降り注いだ。




「質問なんだが、何故人類が我が惑星に来たのだ?」


知佳は新体操のボールで、リフティングを始めた。




「めっちゃ上手い」


錬の称賛に、


「人類が好きだった競技だろ?」


知佳はボールを錬にパスをしたが、錬は上手く扱えなかった。




錬はボールを拾うと、知佳に投げた。




「ぼくはしたことないんだ」


「そう」




知佳は足で受け取ると、再びボールはカーブしながら壁に当たって跳ね返り、再び知佳の足元に戻ってきた。




人類と機械たちは、そのボールの美しい動きから、このビフィズス菌生命体が高いレベルの生命体だと、理解した。




「称賛の視線、感謝するよ。再び質問するね。何故人類が我が惑星に来たのだ?」




錬とあゆみと参謀は、沙羅に視線を送った。沙羅は頷くと、




「わたし達が以前住んでいた惑星は、銀河帝国と銀河共和国連邦との間に起きて戦争に巻き込まれて、滅亡に追い込まれました」


「ほう」


「わたしは幼かったので詳細は解りませんが、人類の多くは惑星を脱出し、散り散りになりました。わたしたち以外の人々がどうなったのかは解りません」


「まあ宇宙では種の滅亡何てよくある話だけどね。災難だったね。それで?」


「わたしたちの一団は、故郷であるこの太陽系に戻ることを決心しました」


「確か第三惑星に人類がいた事は知っているが、滅びてはいなかったんだね」


「『故郷にはわたしたちを迎えてくれる仕組みが存在する』と、大人たちには言われました」


「仕組み?」




あゆみは笑うと


「あっそれ俺らかも、なっ」


バイカルは頷いた。




「「えっ」」


驚く沙羅と錬に、あゆみは続けた。


「サイン♪コサイン♪タンジェント♪この太陽系にはその仕組みがあるにはあるのだけども、まあ~そこまで上手くは行ってないんだな、これが、なっ」




再びバイカルが頷いた。




「いやいやいや少年、そんな目で俺を見るなよ」


錬の視線に耐えられなかったあゆみは言った。






つづく

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