18話 猫の方が可愛いわ!
見上げると、真っ赤な巨大な何かが上空を覆っていた。
それは、まるで雲の様に上空を覆っていた。
あの大きさの生命体は、地球上ではまず見る事がないレベルの大きさだ。
状況から考えて、あれに食われていたのだろう。
知佳は踊るのを止めると、ブリッジのスクリーンを見上げた。
「龍から爬虫類要素を失くした感じ?」
「そうだね」
隣りで見上げる錬も同意した。
「ビフィズス菌を検出」
アローン兵のオペレーターの声が告げた。
「じゃああれがヌードル生命体って事?」
「きっと恐竜よりでかいね」
「食べられるって事?」
「そうだね」
「錬は食べる?」
「知佳が食べてからでいいよ。僕は」
ブリッジのドアが開き、機械猫のあゆみとバイカルが入ってきた。
「人間ども、俺の活躍見てたか?」
「お前活躍なんてしてないやん」
あゆみの問いに、知佳は即答した。
「にゃんやと!可愛い俺が食われたから、鰐がくねくね歓喜したんだろうが、それで、その刺激に耐え切れず吐き出されたんだぜ!大活躍じゃねーか!」
「そうとも取れる」
「これ一択じゃ!」
「あのさ機械の猫ちゃんさぁ『黒猫&白猫よ!猫の本当の力を見せるのだ!』って言ってたけど、黒猫&白猫があの赤いのを呼び寄せたって事?」
あゆみは少しだけ時間を置いて、
「まあ、そう言う事だな。結果的に」
「結果的に?」
「うん、結果的に」
「何が起こるか知らなかったの?」
「まあ、知らなかったと言うか、知る必要がなかったと言うか、知ろうとも思わなかったと言うか・・・」
「適当な生き物め!」
「猫は適当でなんぼじゃ!」
「わたしは犬は、犬は可愛いね」
「猫の方が可愛いわ!」
つづく