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『遠い星の話』  作者: 五木史人
12章 巨大惑星と原色の恐竜たち
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17話 愛ゆえに?

猫の可愛さに、巨大鰐の頬が緩んだように見えた。


巨大鰐は未知の可愛さに、戸惑った。




猫型ロボット虎麿は、ゆっくりと歩を進めた。




虎麿の長い尻尾はゆっくりと揺れた。


その優雅に揺れる尻尾を、巨大鰐は目で追った。




シダイに催眠術に掛かったかのように、巨大鰐の目から殺気が消えて行った。




「手なずけた?」


知佳が錬の耳元で囁いた。


「そうみたい」




虎麿が巨大鰐の口に近づくと、巨大鰐はその大きな口を開けた。




「入る気?」


知佳が錬の耳元で囁いた。


「そうみたい」


ブリッジの人類たちは、その様子をじっと見つめた。




虎麿は巨大鰐の口の中に入ると、ロープと餌役のアローン兵を取り出した。




『大丈夫だ』


ブリッジにあゆみの声が流れた。




ブリッジの人類たちは、ほっと和んだ。


その直後、巨大鰐の口は閉まり、虎麿は食べられてしまった。


巨大鰐の頬は喜びに満ちていた。




「食べれれてんじゃん!ばっかじゃねーの?」


知佳の言葉と同時に、参謀兵がアローン兵に攻撃を命じた。




可愛らしい猫を食べた巨大鰐は、歓喜の身体を大きく動かした。


その直後、宇宙船が大きく揺れた。


まるで世界が動いているかのように!




「何?何?何?」


錬の動揺に知佳は


「宇宙船が押しだされてる?」




宇宙船はジェットコースターのように、加速した。


そして、青い大空が見えた。




空を飛べない巨大鰐は、突然の大空に驚き、虎麿を吐きだした。




「あゆみちゃんたちを回収しないと」


沙羅の言葉に、宇宙船は格納庫を開き、虎麿に近づいた。


降下する宇宙船に虎麿は、ゆっくり近づき格納庫に収容された。




ブリッジの人類たちは、こんどこそほっと息を漏らした。




宇宙船は上昇し、飛べない鰐は海に落ちて行った。






つづく

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