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『遠い星の話』  作者: 五木史人
12章 巨大惑星と原色の恐竜たち
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15話 虎麿出る!

精鋭のはずのアローン兵が、素人目にも追い詰められていた。




「成すすべなし?」


沙羅の問いに参謀兵は、数秒言葉を詰まらせ、


「未知の生命体ですので、このような事も起こります」


「そうだね」




どうみてもここは何かの生き物の胃の中。


すぐに出なくても、何れ消化されてしまいそうな雰囲気だ。




「錬ちゃーん、恐いの?」


知佳は楽しそうに錬に聞いた。


「恐くない事はないけど、消化されるってどんな気分だろう?」


「少しずつ少しずつ・・死に方としては最悪だね」


「はぁ」


「でも、宇宙船が砕けて時点で酸欠で死ねるかも」





「おーーーーーーい人類ども、そんな悲壮な顔してんじゃねーぞ!」


テンションの高めのあゆみが、ウキウキ顔で叫んだ。





「猫ちゃんなんか案があるの?」


沙羅の優しげな顔に、あゆみはにやけた。


「あるさ、なっ」


バイカルも、にやりけた。




「俺たちは、幾つもの星を駆け巡った猫の冒険家。


ある時は清楚系お姫さまに飼われ、そしてある時は、電波系美少女に飼われ、


さらに、ある時は超新星暴発系美少女に飼われた」




「飼われてばっかしやん!それを冒険と言うか?」


知佳はボールをあゆみの頭にぶつけた。




「てか超新星爆発系美少女ってやばくないですか?」


錬の問いに、あゆみは「ふふ」と笑い


「あぁあれな。1つの文明が巻き添えを食らって、滅亡した奴。当時、ニュースになった奴な」




「まじか!」




「それより、人類ども、まあ見てなって!」


あゆみとバイカルはそう言うと、ブリッジから出て行った。




スクリーンに、格納庫が映された。




「猫型ロボット~」


あゆみが嬉しそうに叫び声が聞こえた。


自動車ぐらいの大きさの、猫のロボットが見えた。




なんちゃって猫のあゆみと違って、ちゃんと4足歩行型の猫型ロボットだ




「機械猫が猫型ロボットに乗るって、なんか焼きそばパンみたい」


知佳の発言に沙羅が


「焼きそばパンが食べたくなった」


「ナポリタンパンってのもあったよね」


「ナポリタンパンも可」




突然、焼きそばパンやらナポリタンパンの話を始めた人類に、戦闘マシーンの参謀兵は驚き「人類とはこの状況でも食べ物の話をするものなのか?」と自問自答をした。




格納庫の猫型ロボットの中から、あゆみとバイカルのはしゃぐ声が、ブリッジに流れて来た。




「虎麿とらまろ出る!」


あゆみの声の後、格納庫が開き、ブリッジの空気圧が少しだけぶれた。






つづく

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