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『遠い星の話』  作者: 五木史人
12章 巨大惑星と原色の恐竜たち
234/251

12話 忘れてました。

宇宙船の反重力エンジンよりも、鰐の推進力の方が、かなり大きかった。宇宙船は、思いっきり巨大鰐に引っ張られ始めた。




「これ・・引きずり回されてない?」


沙羅の問いに、参謀兵は


「そのようですね」


と平静を装った。




「いや装った訳じゃない。アローン兵にとってこれが日常なのだ」と沙羅は思った。




「人類に皆さん、安心してください、釣り餌の我が精鋭アローン兵が、巨大鰐の体内から、巨大鰐を瞬殺で仕留めますから、瞬殺で」




『瞬殺』『瞬殺』


アローン兵は大事な事なので2回言ったにも関わらず、時間は過ぎて行った。




「釣り餌、壊れたんじゃない?」


この状況でも舞い続ける知佳は言った。




「時間的にそうだよね」




巨大鰐は、海底へ海底へと降りて行った。




知佳は踊るのを止め、沙羅の側に来た。


「海底って水圧って、あったよね?」


「潜水艦的な?」


「そう、この宇宙船って、そう言うの大丈夫なの?」


「宇宙ではあんまし圧とか関係ないからね」




沙羅は参謀兵に


「水圧とか大丈夫なんですか?」


「水圧とは?」


「えっ?潜水艦的なあれだよ?」


「潜水艦とは、海中に潜る兵器ですね・・・なんですと!?」




「想定外だったらしい。精鋭なのに」


錬は、ぽつりと言った。




「申し訳ありません。忘れてました」


参謀兵は、児童の様な言葉を言った。さらに、


「我々AIは学習の過程において、意図的に忘れる事を行っております。


要するに使わないデータは、最深部に押しやられる事が起こってしまうのです。


これは、処理能力の最適化の結果であり、バグではございません」


と言い訳を始めた。




さらに精鋭のはずの機械の参謀は


「現状、このままでは非常に危険な状態が予想されます」


と続けた。





つづく

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