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『遠い星の話』  作者: 五木史人
12章 巨大惑星と原色の恐竜たち
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9話 男子が1名いるのに?

「じゅ」って音がしてそうな感じで、宇宙船は海中に入った。


高熱を帯びた船体が、冷やされていく気がした。




先程まで炎に満ちていたブリッジのスクリーンが、海水へと変った。




「とりあえず助かった見たいね」


沙羅の言葉に、錬は安堵した。





「皆さんが、助かって何よりです」


参謀兵は冷たい声なりに喜んでいる様に思えた。


参謀兵はさらに続けた、


「我々の予測では、この宇宙船は1分前に高温によって爆発していました」




「・・・」


「・・・」




「ねえ沙羅ちゃん、彼、なんか聞き捨てならない事を言ってるけど!」


「その予測が出てるのに、火山を爆発させたの?」




「予測は予測です。一々予測を信じていては滅びます。ここは戦場です」





「死に対する認識の違いかな。それもまた一興」


水着に着替えた知佳は言った。




「知佳!着替えるの早!」


「舞台ではこの位常識よ。さあ沙羅ちゃんのも持って来たよ」


「わたしはいいよ」


「そうだよ。海に入れるか解らないんだし」




「2人とも~これは気分の問題よ」




知佳が今、来ているのがリボンの着いた真っ赤なビキニ。


そして沙羅に進めているのが、花柄の水着に花柄のパレオ。




「きっとお上品に着こなすに違いない!」と錬は口にはしなかった。




「錬は全裸でいいよね」


「ダメだよ」




知佳に薦められ沙羅が着替えようとした。




「ここで着替えるの?男子が1名いるのに?男子として意識してない?」錬は焦った。色々迷った錬は、


「沙羅ちゃん、奥で着替えた方が・・・一応ここブリッジだし」




沙羅は一目錬と視線を交わした後、


「そうだね」


と奥の部屋へ行った。




沙羅と知佳がいなくなったブリッジで、錬は1人スクリーンを見つめた。


海の中はとてつもなく美しかった。




「穢れの知らない世界です」


参謀兵がそれらしいことを言った。




見た事がない魚が泳いでいたが、魚は魚だった。


生態系はそれほど違いなないのだろう。




何か爬虫類的な物が映った。


「鰐?!」


「そのようですね」




その鰐は宇宙船より大きく、呑み込んでもおかしくない大きさだった。


鰐の目がギョロリと動き、宇宙船を観察していた。





つづく

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