8話 文明のない惑星
惑星ヌードルから吹きあがった火砕流は、大気圏を突き抜け、宇宙空間まで吹き上がっていた。
「なんて火山だ!」
聞きなれた大袈裟なスタージョンの声がした。
スタージョンが代わりに驚いてくれた結果、アヤカは冷静さを取り戻すのはいつもの事だ。ただ、
「ぐわんちゅわん!これはぐわんちゅわんだぜ!間違いなく!ぐわんちゅわんだ!」
この世界に【ぐわんちゅわん!】などと言う単語は存在しない。
アヤカはスタージョンが、バグったのかと心配した。
地上では、ぐつぐつと煮えたぎる火砕流が覆っていた。
この状況で逃走経路は、いくつもあるとは思えない。
「文明のある惑星だと大災害レベルだよな」
少しだけ視界が晴れて、スタージョンのケントリアが確認できた。
アヤカはスタージョンのケントリアに手を上げた。
それに反応して、スタージョンのケントリアも手を上げた。
どちらも正常に動いて入るらしい。
「でもさ~アローン兵って、あんな無茶な作戦する奴らだったっけ?」
ケントリアと同化していると思考回路に、直接スタージョンの声が入ってくるのが面倒くさい。
「軍のテキストでは、竜族戦争での無茶な作戦は有名だな」
「あれプロパガンダじゃなかったんだ!」
☆彡
ブリッジのスクリーンは、黒い煙にみが映っていた。
「どこに行くの?」
「もうすぐ海に突入します。そうすれば安全度は増します」
と参謀兵が沙羅に告げた。
「海があるんだ!水着に着替えなくては!」
知佳は歓声を上げ、奥の部屋へ駆けて行った。
「知佳は、こんな未知の海で泳ぐ気なんだね」
錬が呟くと、沙羅が、
「えっ?錬は泳がないの?」
と、沙羅も泳ぐ気だったらしい事に、錬は驚いた。
「泳がないに決まってるよ!何がいるか解らないんだよ!」
「そうなの」
「そうだよ」
ブリッジのスクリーンに、惑星ヌードルらしき地図が映し出された。
巨大な活火山と巨大な海が広がっていた。
大陸を、地震の後と思われる断層が伸びていた。
暗いスクリーンに、時々強烈な光が輝いた。
「雷です。まだまだ若い惑星なので、色々と活発なのです」
雷ぐらいで、宇宙船がどうこうなるとは思えないけど、近距離の光は、少し怖い。
つづく