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『遠い星の話』  作者: 五木史人
12章 巨大惑星と原色の恐竜たち
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6話 神の怒りの様な爆音

ブリッジにスクリーンには、作戦図が映しだされていた。


踊っていた知佳も立ち止まり、錬と伴にそのスクリーンを見つめた。




「沙羅さま、作戦の許可を?」


参謀兵は沙羅に聞いた。




目の前の惑星ヌードルには、巨大な活火山が見えた。


現時点では、僅かに煙を出しているだけだ。




推定火山流量が、提示されたが、それがどれほどの数字なのかは、沙羅には解らなかった。




沙羅はチラッと操縦桿を見た。




宇宙船の操縦桿は、すでにアローン兵が握っている。


操縦桿は錬に握っていて欲しかったが、所詮素人だ。




「大気圏を出た後に?」


「はい」




沙羅は知佳と錬と視線を交わした後、


「任せる」


と告げた。




機械の参謀兵の表情から何も読み取れなかった。


沙羅はじっと目を閉じ、安全を祈った。




大気圏の圧が少しずつ弱まって行くのが解った。


包囲しつつある敵の人型兵器も、宇宙船の確保に距離を修正しつつある。




沙羅の隣で参謀兵が小さな声で、


「発射だ」


と呟いた。




宇宙船内に残されたミサイルが、活火山に向かって突き進んだ。





    


        ☆彡






「おい!奴ら何か打ち込んだぞ!火山だ!火山を噴火させるきだ!」


スタージョンの声に、アヤカの思考回路は焦った。




「そんな事が可能なのか?あの火山に関す情報がないのか!」


「これは!俺らにはアクセス権限はないらしい」


「アクセス権限がない?あいつ等にはあるって事か!」


「まだ半数は大気圏突入中だ!どうする?」


「作戦変更!現段階での人類の捕獲は中止。各自火砕流進行方向から退避を優先しろ!」





          ☆彡





巨大な火口にミサイルが吸い込まれて行った直後、神の怒りの様な爆音が響き、見た事がない巨大な火砕流が吹きあがった。準惑星位なら呑み込む位の大きさだ。




ブリッジのスクリーンが真っ赤に染まっていた。




「めっちゃスレスレ飛行じゃん、スリリングだぜ♪」


知佳は可愛い声で言ったが、沙羅と錬は恐怖から動きを止めていた。




「大丈夫、これなら死ぬときは一瞬、苦しまずに死ねるはず」


沙羅の横で、縁起でもない事を錬は呟いていた。




火砕流と伴に舞いあがった噴煙で、宇宙船の視界はゼロに成った。




知佳は「キャハ」と喜ぶと、リボンを宙に投げ舞った。


その周りを何もすることがないアローン兵たちも、一緒に舞っていた。




沙羅はどうにか言葉を出そうと、錬に話しかけた。


「どう言う神経してんだろう」


「こいつらには死の概念がないのかも」





ガガ!




宇宙船に何かがぶつかる音と衝撃が走った。


かなりヤバい音だ。





つづく

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