5話 最前線
「あの人類の宇宙船には、アローン兵が乗ってるって噂知ってるか?」
スタージョンの声に、アヤカが、
「えっ?アローン兵が乗ってるだと?」
「正確とは言えない情報で、まあ都市伝説レベルの・・・」
スタージョンが答えた後、無線の声はノイズでかき消された。
>あれにアローン兵が乗ってのか?!
>・・・早く言えよ!
>最前線にそんな情報が回って来ないとは!
>人類を捕らえるだけの簡単な仕事じゃなかったのかよ!
>アローン兵が乗り込んでるとすると・・・何か仕掛けて来るか?
>ヤバいな
>どうしよう
>竜族戦争の英雄の系譜か
>いっそ撃墜してしまえば楽だが・・
>さすがに直接対峙では、勝ち目はない。
☆彡
ノイズ交じりだが、追手の人型兵器は確認できた。
沙羅の隣が、可愛い少年の錬から、機械の参謀兵に変わった。
味方とは言え、心が警戒しているのが解る。
最強のアンドロイド兵だけあって、独特の威圧感は消えない。
それでも、
「何か策があるの?」
と尋ねた。
「あれをご覧ください」
とブリッジのノイズ交じりのスクリーンを指した。
惑星ヌードルの巨大大陸が見えた。
海はとてつもなく青く、文明に適さない惑星なだかあって、ごつごつした巨大な山脈が聳えいていた。
スクリーンに1つの山が映し出された。
「活火山?」
「そうです」
沙羅は嫌な予感がした。
「まさか?」
「まさかです」
人類を乗せた宇宙船の前方には活火山。
そして宇宙船を包囲するように、巨大人型兵器。
「まさか?」
「まさかです」
つづく