3話 困った人類ちゃんたち
追撃してくる艦隊が見え、そこから巨大な人型兵器が、出てきた。
「やばい!やばい!やばい!」
知佳はそう言いながらも、新体操をしている神経に、沙羅と錬は驚いた。
その姿を、ブリッジにいるアローン兵は、楽しそうに眺めていた。
さらに沙羅と錬は呆れた。
沙羅の側に控えているアローン兵の参謀兵は、ぼんやりと惑星ヌードルを眺めていた。
「あれ?壊れたのかな?じゃあ参謀さん壊れたの舞」
と知佳は壊れたのかなの舞を舞った。
【参謀さん壊れたの舞】に、アローン兵達は歓喜した。
沙羅と錬だけ、緊迫した。
「今、大変な状況だよね?」
「そうだよ」
沙羅の問いに錬は答えた。
そんな沙羅と錬を、参謀兵が視線を送った。
「何か作戦が浮かんだ?」
沙羅の問いに、参謀兵は動きを止めた。
「シンキングタイム?」
「そうっぽい」
「シンキングタイムの舞!」
知佳は叫ぶと、アローン兵たちを従え、シンキングタイムの舞を踊った。
「ブリッジはまるでミュージカルの様になったけど、状況は何も変わらない」
錬は呟いた。
☆彡
144機動艦隊偵察大隊の旗艦高速艦メルタに続き、麾下の高速輸送艦からもケントリアが、出撃した。
総勢、ケントリオ五機。付属のЮ十も含めると、50機に達する人型兵器だ。
たった一隻の宇宙船を仕留めるには、多すぎる数だ。
「人類はどうするんだ?」
早速、アヤカに問い合わせが来た。
スタージョンだ。アヤカの相方と言っても良い仲だ。
「スタージョン、お前が仕留めろ!」
「嫌だよ!」
「命令だ!」
「嫌だよ!」
「それなら命令無視で軍法会議だが」
「むしろそっちの方が良き」
「Ю十が暴走したとか言えば良いだろう?」
「そんな言い訳を、信じる奴なんていないだろう」
「先発して攻撃を行った、パトロール艇は攻撃出来たのに、エリート階級に属するパイロットは、これだから」
「あいつら新機種だろう。人類への想いなんてなんて事ない奴らだ」
「とりあえずこれだけのケントリアがあれば、確保ぐらいは出来るだろう」
アヤカは、ケントリアが持っている大きなシールドを振って見せた。
あの程度の宇宙船の武器くらいは、楽に防げるシールドだ。
スタージョンは、
「確保が妥当だな。これだけの数があるし、まったく困った人類ちゃんたちだ」
アヤカは、麾下のケントリアに人類の宇宙船の包囲を命じた。
つづく