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『遠い星の話』  作者: 五木史人
12章 巨大惑星と原色の恐竜たち
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1話 機動兵器ケントリアの出撃準備を!

144機動艦隊偵察大隊の高速艦メルタのブリッジに


「人類の宇宙船確認!機動兵器ケントリアの出撃準備を!」


と副官チュルキンの声が響いた。




艦長のティセリウスは浮かない表情のまま、


「出来れば人類に手を駆けたくないが・・・」


「もしかすると人類殺害の責任を被るのは、アストルガ少佐かと」


「左遷のアストルガ少佐か!?」


「その為にアストルガ少佐が、命令を受けたと考えるのが妥当かと」


「この作戦は、左遷のアストルガ少佐の一存で行われた、と」


「ええ」




艦長のティセリウスは微かに笑みを浮かべ、チュルキンも倣った。






    


          ☆彡






高速艦メルタの格納庫内に、高さが20メートルの人型兵器ケントリアが静かに佇んでいた。




格納庫に入ってきたエースパイロットのアヤカに、メカニックのエリカが聞いた。


「大丈夫ですか?」


実戦は100年前の竜族戦争以来だ。


「どうだろう」


アヤカは答えた。そうとしか言えない心境だ。


ここ100年やった訓練は、どれも形式的なものばかりだ。




アヤカは、ケントリアの腹部コックピットに乗り込んだ。


腹部にコックピットがあるのだが、そこに操縦桿などはない。




アンドロイドの思考回路に直接接続する為、まるで自分の身体の様に扱う事が出来る。ある種の巨大化だ。




アヤカは、アンドロイドの身体をコックピット内に固定すると、思考回路をケントリアに繋げた。




意識がケントリアの頭脳に移動し、巨大なロボットと一体化した。


視界も巨大ロボットの頭部へと移動した。


自分が巨大に変身する感覚は、快感だ。




アヤカはブリッジと通信を繋ぐと、尋ねた。


「で、人類を殺せば良いの?」


副官チュルキンは、沈黙し、ティセリウス少佐を見た。




ティセリウスは、


「捕獲できれば捕獲しろ」




戦闘機ではなく、人型のケントリアを出すと言う事は、捕獲の為だろう。




「捕獲できなければ?」


「・・・」


「・・・」




「あんたらさ~」




伝説のエースパイロットとは言え、上官にその言い方はないよ。


と言いたげな視線をチュルキンはしたが、何も言わなかった。




「あたしに責任をなすりつけないでよね。艦長でしょう」


覚悟を決めたのかティセリウスは、


「ΦΦΦ!!!!!」


は何かを呟いた。




「って何!」


ティセリウスが何も答えないので、チュルキンが


「アストルガ少佐の命令は、人類の殲滅です」


「左遷のアストルガか・・お前らさ、責任感に着いて考えた方がいいよ」





つづく

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