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『遠い星の話』  作者: 五木史人
11章 ファンファーレが鳴る中
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18話 誇り高きチンチラ

管制室の廊下で、兵士の足音が聞こえた。


機械ネズミのアルバムは、ドキドキしながら、待機していた。




秘密結社員とは言え、機械ネズミだ。


軍との接触は、大体人型アンドロイドがやることになっている。




機械ネズミのアルバムは、ずっとネズミサイズの小さな地下秘密基地で、情報の管理をしていた。




こういう表の世界での活動は、苦手にしている。


まして秘密警察関係となると、ハードルが高い。




あゆみとバイカルに着いて来たら、『じゃあついでに管制室の司令官してね』


と、サイン本部から通達が来たのだ。




「じゃあついでに?って何だよ!適当なサイン本部め!」




まだ宇宙港では、ファンファーレが鳴り響いていた。


「あいつら、いつまでやってるんだ?兵士たちの歓声も聞こえるし」




管制室のドアが開き、管制司令官(仮)のシュガーコートと、二機のアンドロイドが入ってきた。明らかに軍仕様アンドロイドだ。目つきが鋭い。




指揮官クラスのアンドロイドと、副官クラスのアンドロイドだ。




>各所の偽装は問題ないはず。


機械ネズミは、管制室のモニターを確認した。


怪しい所は見受けられない。




>大丈夫だ。




「こちらが管制室になります」


管制司令官(仮)のシュガーコートが、二機の軍仕様アンドロイドに告げた。




「あら可愛いらしいネズミがいる」


副官らしきアンドロイドが、そう言うと機械ネズミに近づいて来た。


軍では珍しい女型アンドロイドだ。


身体の曲線が美しい。


それなりにお値段のする機体だ。




管制司令官(仮)のシュガーコートは、答えた。


「こちらは、わたくしのペットの機械ハムスターです」




>安物のシュガーコートに、ペットとか言われるとなんかムカつく。


>それに俺はハムスターじゃないし!俺は誇り高きチンチラやし。




「抱っこしても良い?」


「どうぞ」


「可愛い」




機械ネズミは、軍仕様のアンドロイドに抱きかかえられた。


指揮官クラスのアンドロイドと、視線が合ったが、疑われている様子はない。




>こいつは秘密警察ではないな。




指揮官クラスは、秘密警察の監視対象になる事はあっても、秘密警察自体のパターンは少ないと言うのが、サイン本部の見解だ。




どちらかと言うと、この副官タイプが怪しい。




>今は優しく抱きしめられてはいるが、ばれたらそのままグシャってされそうだ。




誇り高きチンチラのアルバムさんは、偽装がばれないか、モニターで確認をしたかかったが、怪しまれるので、堪えた。





つづく

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