12話 さあ、俺にだけ秘密を話すんだ♪
宇宙船が宇宙空間に出ると、独特の孤独感が襲った。
地面に立っていない。星に守られていない不安感によるものだろう。
スクリーンに太陽系のマップが映し出された。
「この要塞に迷惑はかけたくないけど」
沙羅が呟くと、知佳と錬とバイカルは、マップを凝視した。
その様子を見ていたアローン兵の参謀は、説明を始めた。
「宇宙機動艦隊は144時間後に、この要塞に到達します。
まず要塞の臨検を行うと思われます。
その間に出来るだけ遠方へ逃れることが、現時点で最優先するべきだと思われます」
「要塞の臨検?大丈夫なの?」
「あの要塞は、古代遺跡準惑星です。宇宙機動艦隊とは言え手を出しづらい準惑星です。臨検に関しては、彼らが上手くやるでしょう」
☆彡
機械ネズミは、人類の宇宙船の出港を確認すると、機械ネズミ用の小さな端末を操作した。
「今より遺跡モードへ変身する!」
と放送で告げた。
最新の設備は覆い隠され、古い遺跡が惑星を覆った。
実際、遺跡を再利用した準惑星だ。
格納庫に閉まっていた人型のアンドロイドたちが、起動し始めた。
人型アンドロイドのシュガーコートたちだ。
機械ネコたちは、そのシュガーコートのペットへと役を変えた。
☆彡
あゆみは、沙羅の腕の中から飛び降りた。
そして、黒猫と白猫が遊んでいる部屋へと向かった。
本物の猫たちは、宇宙船の展望台にいる事は解ってる。
あゆみは地図を確認すると、展望台に向かって歩き出した。
>俺は本物の猫になる
>その為には、本物の猫を知らなばならない。
展望台の自動ドアが開くと、黒猫と白猫はぱっとあゆみを見つめた。
敵か?
味方か?
本物の猫たちは、まさに動物のように、あゆみと距離を確認していた。
>お前ら、さっき会ってたじゃん?
>何を警戒してんだよ?
>そっかここはお前らや縄張りて事か?
>ふふふ、さすが本物の猫だ♪
>しかし、お前らにはなんか謎が隠されてる気がするんだよな~
>ふふふ、いや、にゃにゃにゃと鳴くべきか?
>さあ、俺にだけ秘密を話すんだ♪
つづく