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『遠い星の話』  作者: 五木史人
11章 ファンファーレが鳴る中
205/251

3話 銀河連邦軍機動艦隊の旗艦

>俺は!俺は!可愛い猫なので人間の少女に抱き着いて見る!



あゆみが抱き着くと、人類のリーダーの少女は、抱き返してくれた。



>!!!!!!!


>人間の匂いがする。


>ずっと忘れていた。人間の匂い。


>柔らかく温かい。


>これが人間・・だったのか?



>懐かしい。


>5000年経っても覚えているもんだな。




>5000年間、この猫の機体の中で生きてきたけど。


>そうだ、俺も人間だったんだ。


>遠い昔。


>あっそうだ。


>思いだした!



人間の少女の息の音がした。



>そうだ、息をしていたんだ!俺だって!



人間の少女の胸に抱きしめられ、人間の少女の心臓の音を感じた。



>心臓が動いてるじゃん。ホントに生きてるんだ!


>なんだろう?


>泣きたくなる。


>俺も生きたい。


>俺は生きてるの?



>この人類は生と死を繰り返して、今に至る。


>俺たちアンドロイドは、更新を続けて、今に至る。


>この二つの出会いは、何を意味するんだろう?




「ねえねえ、あたしもの抱っこさせて!」


こん棒を持った少女は言うと、リーダーの少女から俺を奪った。



>!!!


>ガキの匂いがする!


>人間のガキの匂いを嗅いだのも、5000年ぶりだか・・・


>そう!俺、ガキは嫌い!



あゆみは、こん棒少女から脱出して、リーダーの少女の胸に飛び込んだ。



「ええええええ!何で!」


こん棒少女は叫んだ。



>凶暴少女よ!


>俺にだって好き嫌いはある!


>そうだ!この子を管制室に行かせなくては!


>どうしよう?



バイカルを見ると、なにかボソボソと声を出している。



>まあ、こいつに任せよう。


とあゆみは何もすることなく、少女に抱かれた。




バイカルは小声ながらも、ジェスチャーで人類たちを誘導しようとした。


そのジェスチャーに、こん棒少女が、


「沙羅!なんかあっちに来いって言ってそうだよ」



バイカルのむちゃくちゃなジェスチャーを理解出来たのは凄い。


何万光年も距離や時代や文明が違えば、ジェスチャーも意味不明になると言うのに。



きっとこん棒少女とバイカルは、相性が良いのだろう。





         ☆彡





銀河連邦軍機動艦隊の旗艦の将校用の自室で、人型生命体のらんは、宇宙空間に輝く銀河帝国軍の戦闘艦を見つめていた。



その戦闘艦は旗艦の横を擦れ擦れで飛行していた。


下手すると衝突しかねない距離だ。



現在、銀河連邦と銀河帝国は戦争状態ではない。


ゆえに攻撃の可能性は低いが、ここは最前線。


何が起こるかは解らない。



人型生命体のらんは、溜息を着くと、机の上の写真立てを見た。


りんるんれんロンの、妹たちと弟たちが写っていた。



「きっと、みんな生きてるよね」


藍は呟いた。






つづく





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